このページでは、不動産業者・建設業者が土地を仕入れ住宅を販売するいわゆる「建売」の場合、建設業許可を受ける必要があるのかどうかを解説します。
建設工事の請負いがあるか
建設業許可とは、一定以上の金額の建設工事の完成を請け負う者のことを指します。
そして、建設業を営もうとする者は、軽微な建設工事のみを請け負う場合を除いて、必ず建設業の許可を受けなくてはいけません。
建売を行う不動産業者・建設業者の場合、自社が建設工事についてどの立場にいるのかを把握する必要があります。
建設業許可が不要なケース
建売のために不動産業者・建設業者が自ら新築工事を行うもしくは新築工事を発注する場合、基本的には建設業許可は不要です。
自己所有の不動産を取引するのに宅建業免許が不要であるのと同じ考え方で、自分の建物を建てるのに建設業許可は不要であるということです。
この場合、不動産業者・建設業者は、建設工事を建設会社に発注する発注者(施主)の立場になるため、その発注先の建設業者が適正な建設業許可を有しているかを確認するようにしましょう。
建設業許可が必要なケース
不動産業者が建売をするうえで建設業許可が必要となるケースとは、「発注者(施主)からの求めに応じて新築工事を請負う場合」です。
この場合、不動産業者や建設業者は発注者から建設工事を直接請負う元請建設業者という立場になるので、建設業許可が必要となる工事の規模を確認しておきましょう。
建設業許可が必要となる工事の規模なのか
建設業法では、軽微な工事を行う場合に建設業許可は不要であると定められています。
この「軽微な工事」とは、以下のいずれかに該当するものをさします。
- 専門工事で500万円未満のもの(消費税込み)
- 建設工事一式で1500万円未満のもの(消費税込み)
- 木造住宅の工事で延べ面積が150㎡未満のもの
上記の3つに関しては許可が不要な軽微な建設工事として定められています。一般的に請負契約が500万円未満(消費税込み)であれば、軽微な建設工事といえるでしょう。
また、建築工事一式として受注したものであれば、全体で1,500万円未満(消費税込み)であれば同様に軽微な建設工事といえます。住宅工事に関して言えば、上記の基準面積以下のものはごく一般的な住宅になりますのでこれも軽微な建設工事ものと言うことができそうです。
これら軽微な工事に該当する場合は、不動産業者や建設業者は発注者から建設工事を直接請負う元請建設業者という立場となっても、建設業許可は不要です。
建売の場合の建設業許可まとめ
建売を行う不動産業者や建設業者に建設業許可が必要かどうかを解説しました。
- 建設工事の請負いの有無
- 許可が不要な軽微な工事の基準
この2点をしっかり確認し、自社が建設業許可が必要なのか不要なのかをチェックしましょう。もし、建設業許可が必要な場合は早めに許可取得に向けて動き出した方がよいです。
手続きに不安があり代行してほしい方は、行政書士など専門家への相談をおすすめします。適切なサポートを受けられ、よりスムーズに手続きを進められるでしょう。