屋外広告業者登録と建設業許可の違いをまるっと解説!

屋外広告業者登録と建設業許可はどんな違いがあるのかご存知でしょうか?ここでは、それぞれどのような違いがあるのか詳しくご説明していきたいと思います。

それぞれなにができるのか?

簡単に述べると下記のようにできることが異なります。

屋外広告業者登録でできること・・・登録を行うと、屋外に広告物の設置や表示をすることができ、これらを仕事として行うことが可能
建設業許可でできること・・・工事の請負・施工

具体的には下記のように定められています。

屋外広告業者登録

屋屋外広告物とは、「常時又は一定の期間継続して」、「屋外で公衆に表示されるものであって」、「看板、立看板、はり紙及びはり札、広告塔、広告板、建物その他の工作物等に掲出・表示されたもの」を言います。

これらの広告物の表示等を原則として、禁止される地域を禁止区域として定め、また建物等も禁止物件として指定し、良好な景観の形成を行っていきます。

広告主から広告物等の表示や設置に関する工事等を請け負い、屋外で公衆に表示することを業として行う場合に業者登録を受ける必要があります。

建築業許可

建設業法に基づき一件の請負代金が500万円以上の建設工事を施工する際に必要となる許可です。

このように、広告業者登録と建設業許可は、それぞれできることが違いますので、建設業許可を持っていれば、建設した建物に看板等設置できるかというと、そうはいきません。

屋外に看板や広告物を設置するには、必ず屋外広告業者登録が必要となってきます。

それでは次に、それぞれの要件について詳しく見ていきましょう。

屋外広告業者登録の要件

  1. 業務主任者を各営業所に置くこと
  2. 欠格事由に該当していないこと

・屋外広告業の取り消しをされ、その日から2年未満の者
・営業停止期間が完了していない者
・屋外広告物条例に違反し、罰金等課せられ執行終了日から2年未満の者

建設業許可の要件

  1. 経営業務に関わる方の中に、経営業務管理責任者を置く必要がある
  2. 工事に関わる契約を結び、見積もりを行う営業所を設置する
  3. 許可を受けたい業種の専任技術者を持った方がいる
  4. 財産的信用の基準を満たしている
  5. 欠格事由に該当していないこと

上記をご覧いただくと、屋外広告業登録と建設業許可の要件が違っていることが分かります。その中でもそれぞれ1.の要件についてもう少し分かりやすく解説していきます。

屋外広告業者登録:業務主任者とは

業務主任者とは、屋外広告物法の条例に基づき、屋外での広告物の表示・設置に関する法令の規定を守り、営業所ごとの業務を適正に行う人のことです。

下記の条件に、どれか一つでも当てはまる方が業務責任者となります。

屋外広告士に合格している者

➁屋外広告物講習会の修了者(都道府県や政令市・中核市が行う講習会)

➂技能検定合格者・職業訓練修了者・広告美術仕上げに係る者

屋外広告業者登録を行う際には、必ず「業務主任者」を各営業所に設置することが義務付けられています。

建設業許可:経営業務管理責任者とは

経営業務管理責任者とは、営業所において対外的な営業取引に関し責任を有する地位にあり、建設業の経営業務について総合的に管理する経験を持っている方の事です。

下記のうち、どれか一つ該当する方が、経営業務管理責任者となります。

➀常勤役員等のうち、次のa~cに当てはまる者

(a)建設業に関して5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する
(b)建設業に関して、5年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者としての経験を有する
(c)建設業に関し、6年以上の経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務の管理責任者を補助する業務に従事した経験がある

➁常勤務役員等のうち、1名が下記のa~bに当てはまる者

また、財務管理の業務経験を有する者・業務運営の業務経験を有する者を当該常勤役員等の直接補佐する者としてそれぞれ置く者であること(1名でも可)

(a)建設業に関して、役員等として2年以上の経験があり、かつ5年以上役員等または役員等に次ぐ職制上の地位にある者としての経験がある方(財務管理・労務管理・業務運営の業務を担当する者に限る)
(b)5年以上役員等としての経験があり、また建設業に関して2年以上役員等としての経験がある方

➂上記の1~3までに掲げる者と同等以上の能力を有すると国土交通大臣が認定した者

まとめ

建設業許可と関わりのある屋外広告業との違いについて紹介しました。

屋外広告業登録と建設業許可とでそろぞれできることや許認可を取得するための要件も異なっています。

特に建設業許可を持っていても、建設したビルや住宅等に看板をつけるには、建設業許可に加えて屋外広告業者登録が必要になりますので、コンプライアンス違反になっていないようにしましょう。

手続きに不安があり代行してほしい方は、行政書士など専門家への相談をおすすめします。適切なサポートを受けられ、よりスムーズに手続きを進められるでしょう。