建築業界で活躍できる国家資格の一つに「解体工事施工技士」があり、解体工事業に欠かせない存在です。解体工事は建物の老朽化や再開発の盛り上がりにより解体工事の需要は高まっているかなり重要な仕事です。
そのため、解体工事施工技士の国家資格があると建設業許可を取得しやすくなることはもちろんです。
また、すでに取得している建設業許可の業種を増やすことが可能になります。
このページでは、解体工事施工技士がどのような業種の建設業許可を取得できるか紹介していきます!
建設業許可を取得するための要件について
まず初めに建設業の許可を申請する際に、必ず下記の要件をクリアしておかなければ許可はおりません。
- 経営業務に関わる方の中に、経営業務管理責任者を置く必要がある
- 工事に関わる契約を結び、見積もりを行う営業所を設置する
- 許可を受けたい業種の専任技術者を配置する必要がある
- 財産的信用の基準を満たしている
- 欠格事由に該当していないこと
これらの要件は、内容も複雑で厳しい条件などが含まれます。
この中で、今回のテーマに関わりのある3.の専任技術者についてご説明します。
▼許可を受けたい業種の専任技術者を配置する必要がある
営業所(本店等)に常勤する専任技術者がいることです。専任技術者の要件は一般建設業許可と特定建設業許可で異なりますが、一般建設業の場合は常勤している従業員のうちつぎの4つのいづれかの要件を満たす必要があります。
- 定められた国家資格を持っている
- 定められた国家資格+資格取得後一定の実務経験がある
- 指定学科を卒業し、学歴に応じた実務経験がある
- 10年以上の実務経験がある
そして解体工事施工技士は国家資格なので、1.の条件に該当します。
そもそも解体工事施工技士とは?
解体工事施工技士は、建設業界における重要な国家資格の一つです。
日本の建築物は、平均して30年から50年で寿命を迎えるといわれており。かつての高度経済成長期以降に整備したインフラ設備や建築物が寿命を迎え、老朽化するタイミングであるといえます。
また、解体工事は、建設物の老朽化や都市再開発など、様々な理由で必要とされる作業であり、その過程で環境への影響を最小限に抑えることが求められます。
この資格は、そのような老朽化した建築物を解体する工事で必要とされる専門的な技術や知識を有していることを証明するものであり、建設物の安全かつ効率的な解体を担う専門家を育成することを目的としています。
ちなみに、解体工事施工技士の受検資格が設定されています。
▼解体工事施工技士の受験資格
学歴 | 解体工事施工に関する実務経験年数 | |
---|---|---|
指定学科 | 指定学科以外 | |
大学 専門学校の「高度専門士」 | 卒業後1年以上 | 卒業後1年6か月以上 |
短期大学 高等専門学校 専門学校の「専門士」 | 卒業後2年以上 | 卒業後3年以上 |
高等学校 中等教育学校 専修学校の専門課程 | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6か月以上 |
その他 | 8年以上 |
専任技術者の配置する場合の注意する点
専任の技術者を置く場合に、下記の項目に注意する必要があります。
・必ず常勤であること
・社会保険に加入しておくこと(雇用保険・健康保険・厚生年金全て)
・他の会社で、専任技術者として登録していないこと(同一企業でないと兼任は認められません)
・資格を持っている証拠として“合格証”が手元にあるか
これらは手続きを行う中で、厳しくチェックされる項目なので注意しておきましょう。
解体工事施工技士で建設業許可を取得する場合のまとめ
今回は、解体工事施工技士がどのような業種の建設業許可を取得できるかというテーマでご紹介しました。
解体工事施工技士の資格は、10年間の実務経験を証明することなく解体工事業での専任技術者になることができるので、解体工事を行う事業者様にとっては、かなり便利な資格です。
しかし、建設業許可は専任技術者以外でも様々な要件をクリアする必要があり、申請するためにも作成する書類は膨大です。
なるべく早く許可が必要な方は、自社で行うより、行政書士等の専門家に相談して進める方が結果的に早く許可を取得することができるでしょう。
手続きに不安があり代行してほしい方は、行政書士など専門家への相談をおすすめします。適切なサポートを受けられ、よりスムーズに手続きを進められるでしょう。