建設業は、国民の生活インフラを支える重要な役割を担う業界のため、建設や建築には工程を適切に管理できる人材が必須です。そしてそれを証明するために技能士や施工管理技士などの国家資格があります。
建設業許可においても、国家資格があればスムーズに許可取得ができることもありますが、なんと資格がなくても許可を取得できるケースもあるのです!
ここでは資格なしで建設業許可を取得する方法や、建設業許可なしで請け負える工事などを紹介します。
資格なしでも建設業許可を取得できる
まず初めに建設業の許可を申請する際に、営業所(本店等)に常勤する専任技術者がいる必要があります。
専任技術者の要件は一般建設業許可と特定建設業許可で異なりますが、一般建設業の場合は常勤している従業員のうちつぎの4つのいづれかの要件を満たす必要があります。
- 定められた国家資格を持っている
- 定められた国家資格+資格取得後一定の実務経験がある
- 指定学科を卒業し、学歴に応じた実務経験がある
- 10年以上の実務経験がある
建設業許可を取得するためには、国家資格が必須だと思われている方は多いですが、実は10年以上に実務経験があればクリアできる可能性もあるのです。
ここからは、国家資格がない場合でも専任技術者と認められるための具体的な方法を確認していきましょう。
10年間の実務経験の証明が必要
会社員として10年以上の実務経験を積んでいた場合は①その会社で工事実績があるか?②その会社に所属していたか?という2点を証明する書類が必要です。
①所属していた会社での工事実績を証する書類
建設業許可通知書、工事の契約書、受発注の関連書類、請求書、工事代金の振込がわかる預金通帳などを提出します。
②その会社に所属していたかを証する書類
健康保険被保険者証、厚生年金被保険者記録照会回答票、住民税特別徴収税額通知書などを提出します。
なお、10年間で証明できる建設業種は1つのみなので、同一期間内に、内装工事(内装仕上げ工事業)と土木工事(とび土工工事業)も行っていたとしてもどちらか1つの建設業種しか取得することができません。
10年間の実務経験で取得できる建設業種は1つであることを忘れないようにしましょう。
10年間の実務経験を短縮する方法
建設業法で定められている特定の学科を履修している場合、必要な実務経験の期間は10年から3年もしくは5年に短くなります。
- 特定の学科を履修して高校卒業した場合:5年間の実務経験
- 特定の学科を履修して大学卒業した場合:3年間の実務経験
特定の学科とは、たとえば土木工学、機械工学、建築学、電気工学、都市工学などが該当します。
高校や大学を卒業するだけでなく、履修した学科が許可を取りたい業種に関連していなければなりません
専任技術者の配置する場合の注意する点
専任の技術者を置く場合に、下記の項目に注意する必要があります。
・必ず常勤であること
・社会保険に加入しておくこと(雇用保険・健康保険・厚生年金全て)
・他の会社で、専任技術者として登録していないこと(同一企業でないと兼任は認められません)
・資格を持っている証拠として“合格証”が手元にあるか
これらは手続きを行う中で、厳しくチェックされる項目なので注意しておきましょう。
資格なしで建設業許可を取得する場合のまとめ
今回は、資格がなくても建設業許可を取得できるかというテーマでご紹介しました。
資格がないと建設業許可は取得できないと思われている方も多いですが、10年間の実務経験を証明することができれば、建設業許可を取得できる可能性がかなり高くなります!
しかし、建設業許可は専任技術者以外にも様々な要件をクリアする必要があり、申請するためにも作成する書類は膨大です。
なるべく早く許可が必要な方は、自社で行うより、行政書士等の専門家に相談して進める方が結果的に早く許可を取得することができるでしょう。
もし、いろいろ建設業許可取得に向けて動いた結果、許可が取得できない。。と言われた場合でも諦めるのは早いかもしれません!
手続きに不安があり代行してほしい方は、行政書士など専門家への相談をおすすめします。適切なサポートを受けられ、よりスムーズに手続きを進められるでしょう。