「建設業許可を取りたいけど、国家資格を持ってないから無理かも…」
そんな風に思っていませんか?
実は、国家資格がなくても建設業許可を取得することは可能です。
ポイントは「専任技術者の条件」や「実務経験」など、資格以外で証明できる要件を満たしているかどうか。
このページでは、なぜ資格がなくても許可が取れるのか、どういった条件が必要なのかをわかりやすく解説していきます。
「資格がない=不可能」とあきらめる前に、ぜひ一度チェックしてみてください。
資格ナシでも建設業許可を取得するための要件について

建設業許可を取得するためには、いくつかの厳格な要件をクリアしなければなりません。これらの要件を満たしていないと、申請しても許可を得ることはできません。特に、専任技術者の配置は、建設業許可を取得するための重要なポイントです。
- 経営業務に関わる方の中に、経営業務管理責任者を置く必要がある
- 工事に関わる契約を結び、見積もりを行う営業所を設置する
- 許可を受けたい業種の専任技術者を配置する必要がある
- 財産的信用の基準を満たしている
- 欠格事由に該当していないこと
この中で、今回のテーマに関わりのある3.の専任技術者についてご説明します。
【許可を受けたい業種の専任技術者を配置する必要がある】
営業所(本店等)に常勤する専任技術者がいることです。専任技術者の要件は一般建設業許可と特定建設業許可で異なりますが、一般建設業の場合は常勤している従業員のうちつぎの4つのいづれかの要件を満たす必要があります。
- 定められた国家資格を持っている
- 定められた国家資格+資格取得後一定の実務経験がある
- 指定学科を卒業し、学歴に応じた実務経験がある
- 10年以上の実務経験がある
建設業許可を取得するためには、資格が必須だと思われている方は多いですが、10年以上の実務経験があればクリアできる可能性があるのです。
また、高校や大学で指定学科(建築系や土木系等)を卒業していれば、3年~5年の実務経験でもOKとされています。
実務経験を証明する方法
実務経験の証明方法は、経験を積んだ会社の許可の有無によって変わります。
①建設業許可のある業者で実務経験を積んだ場合
許可がある業者で実務経験がある場合、基本的には許可通知書を提出することで証明することができます。しかし、すでに退社している場合は協力を得ることができないケースはよくあります。
その場合、次の方法で証明を進めることができます
- 会社の許可を取得した都道府県を確認
許可を取得していた都道府県をまず確認することが重要です。 - 東京都や神奈川県の場合
行政に対して「会社名」「営業所の住所」「当時の代表取締役」を伝えることで、その会社がいつからいつまで許可を取得していたのかの情報を提供してもらえる場合があります。 - 大阪の場合
大阪では、行政文書の開示請求をすることで、許可状況が記載された「黒台帳」という文書を手に入れることが可能です。
これらの情報から証明することができるので、諦めずにまずは行政書士等の専門家に相談をしながら進めていくべきでしょう。
②建設業許可のない業者で実務経験を積んだ場合
建設業許可を取得していない会社での経験の場合は、ハードルがかなり高くなります。
実務経験を証明するためには、その会社で工事に関する請負契約書、注文書+請書、請求書+入金記録といった証明書類が必要になります。
前職の協力が不可欠なため、証明ハードルは非常に高いです。当時の取引先と関係性が続いているのであれば、そこからクリアの糸口を見つけていくことも方法です。
お困りの際はご相談ください
建設業許可の要件は複雑で、特に実務経験の証明に関しては判断が難しいこともあります。
「自分が要件を満たしているかわからない」「証明書類が揃えられるか不安」など、お困りの方は今すぐご相談ください。
専任技術者の配置する場合の注意する点
専任の技術者を置く場合に、下記の項目に注意する必要があります。
・必ず常勤であること
・社会保険に加入しておくこと(雇用保険・健康保険・厚生年金全て)
・他の会社で、専任技術者として登録していないこと(同一企業でないと兼任は認められません)
・資格を持っている証拠として“合格証”が手元にあるか
これらは手続きを行う中で、厳しくチェックされる項目なので注意しておきましょう。
経営業務の管理責任者もハードルが高いです
建設業許可を取得する際につまずきやすいのが、「経営業務の管理責任者(経管)」の要件です。
この要件は、常勤している取締役のうち、以下のいずれかを満たす必要があります。
▼経営業務の管理責任者として認められるパターン
- 建設業に関して5年以上取締役として経験のある者(←メインで使うのはこれです)
- 建設業に関して5年以上取締役に準ずる地位(例:建設部長)にあり、経営業務のある者
- 建設業に関して、6年以上取締役に準ずる地位があるものとして、経営業務を補佐する業務に従事した経験がある者
- 建設業に関して2年以上役員等として経験を有し、かつ5年以上役員又は役員に次ぐ職制上の地位にあるもの。さらに5年以上財務管理、労務管理、業務運営管理の従事した者を補佐としておくこと。
- 5年以上役員としての経験を有し、かつ建設業に関して2年以上の経験があるもので更に、5年以上の財務管理、労務管理、業務運営管理に従事した補佐役をおくこと。
中小企業や個人経営に近い会社の場合は、「5年以上取締役としての経験(パターン1)」での証明が現実的です。
(例)
・建設会社の取締役として5年以上の経験がある。
・個人事業主として5年以上の経験がある。
・建設業許可を取得している建設業者の令3条の使用人(支店長)として5年以上の経験がある。
専任技術者の要件とは異なりますので、違いをきちんと把握しておきましょう!
お困りの際はご相談ください
経営業務の管理責任者の要件証明に関しては判断が難しいこともあります。
「自分が要件を満たしているかわからない」「証明書類が揃えられるか不安」など、お困りの方はお気軽に無料相談をご活用ください。
資格なしで建設業許可を取得する場合のまとめ
建設業許可を取得するために「国家資格」が絶対に必要というわけではありません。実際には、実務経験や過去の勤務実績など、資格以外の要件を満たすことで許可を取得することが可能です。
とはいえ、証明書類の準備や要件の確認には専門的な知識が必要な場合もあります。曖昧なまま申請を進めてしまうと、不許可になったり、時間とコストが無駄になってしまうリスクも。
「資格がないけど許可が取れるのか不安…」「どうやって実務経験を証明すればいいの?」そんな疑問や不安がある方は、ぜひ一度専門家に相談してみてください。
ウィルホープ行政書士事務所では、無料相談も受付中ですので、お気軽にご連絡ください。