建築施工管理技士で建設業許可が取れる

「建設業許可が必要になると面倒そう……」
「業種追加を考えているけど、技術者の確保がネックになっている……」

そんな時に頼りになるのが、建築施工管理技士という国家資格です。

この資格があれば、建築工事やリフォーム工事を請け負う際に“専任技術者”として認められ、建設業許可の取得や業種追加をスムーズに進めることができます。

さらに、この資格は対応できる工事の幅が非常に広いため、さまざまなタイプの建築業務をカバーできます。たとえば——

  • 超高層マンションや住宅の建設
  • 屋外競技場の施工
  • 大型ショッピングモールの建設
  • 公共施設や福祉施設の建築

このような“社会基盤”を支える重要な建築工事に対応できるため、現場での信頼性や許可申請において非常に強力な資格です。

このページでは、建築施工管理技士がどのような建設業許可の業種に対応できるのかを、わかりやすく解説していきます!

建設業許可を取得するための要件について

建設業許可を取得するためには、いくつかの厳格な要件をクリアしなければなりません。これらの要件を満たしていないと、申請しても許可を得ることはできません。特に、専任技術者の配置は、建設業許可を取得するための重要なポイントです。

  1. 経営業務に関わる方の中に、経営業務管理責任者を置く必要がある
  2. 工事に関わる契約を結び、見積もりを行う営業所を設置する
  3. 許可を受けたい業種の専任技術者を配置する必要がある
  4. 財産的信用の基準を満たしている
  5. 欠格事由に該当していないこと

この中で、今回のテーマに関わりのある3.の専任技術者についてご説明します。

【許可を受けたい業種の専任技術者を配置する必要がある】

営業所(本店等)に常勤する専任技術者がいることです。専任技術者の要件は一般建設業許可と特定建設業許可で異なりますが、一般建設業の場合は常勤している従業員のうちつぎの4つのいづれかの要件を満たす必要があります。

  1. 定められた国家資格を持っている
  2. 定められた国家資格+資格取得後一定の実務経験がある
  3. 指定学科を卒業し、学歴に応じた実務経験がある
  4. 10年以上の実務経験がある

そこで建築施工管理技士は国家資格なので、①の条件に該当します。この資格は、建設業許可の取得において非常に強力な武器になります。

建築施工管理技士には種類があるって知ってましたか?

建築施工管理技士は、建設業法で定められた国家資格で、試験に合格した者には国土交通大臣から技術検定合格証明書が交付され、「建築施工管理技士」の称号が与えられます。資格を取得した技術者は、超高層マンションや大型ショッピングモール、公共施設などの建築工事で施工計画の作成や現場の管理を担当します。

この資格は、1級2級に分かれており、2級にはさらに3つの種別があります。

▼ 建築施工管理技士の種類

  1. 1級建築施工管理技士
  2. 2級建築施工管理技士(種別:建築)
  3. 2級建築施工管理技士(種別:躯体)
  4. 2級建築施工管理技士(種別:仕上げ)

それぞれの資格を持つことで取得できる建設業許可業種は異なります。次に、資格ごとにどの業種の建設業許可が取得できるのかを見ていきましょう。

1級建築施工管理技士

1級建築施工管理技士を持っていると、なんと最大17業種の建設業許可を取ることができます。

  • 建築工事業(建築一式工事)
  • 大工工事業
  • 左官工事業
  • とび土工工事業
  • 石工事業
  • 屋根工事業
  • タイルレンガブロック工事業
  • 鋼構造物工事業
  • 鉄筋工事業
  • 板金工事業
  • ガラス工事業
  • 塗装工事業
  • 防水工事業
  • 内装仕上げ工事業
  • 熱絶縁工事業
  • 建具工事業
  • 解体工事業

「幅広く工事を請け負いたい」「将来的に業種を増やしたい」方には、最強クラスの資格です。

2級建築施工管理技士(種別:建築)

2級建築施工管理技士(種別:建築)を持っていると、次の業種の建設業許可を取ることができます。

  • 建築工事業(建築一式工事)
  • 解体工事業

「建築」種別は、主に建築工事業の専任技術者として活躍します。特にマンション建設や新築住宅の施工管理を行いたい建設業者には非常に適しています。

2級建築施工管理技士(種別:躯体)

2級建築施工管理技士(種別:躯体)を持っていると、次の業種の建設業許可を取ることができます。

  • 大工工事業
  • とび土工工事業
  • タイルレンガブロック工事業
  • 鋼構造物工事業
  • 鉄筋工事業
  • 解体工事業

「躯体」種別は、主に建物の骨組み部分に関わる工事を担当します。この資格は大規模な土木工事や鉄筋・鋼構造物などの工事を行う際に重要です。

2級建築施工管理技士(種別:仕上げ)

2級建築施工管理技士(種別:仕上げ)を持っていると、次の業種の建設業許可を取ることができます。

  • 大工工事業
  • 左官工事業
  • 石工事業
  • 屋根工事業
  • タイルレンガブロック工事業
  • 板金工事業
  • ガラス工事業
  • 塗装工事業
  • 防水工事業
  • 内装仕上げ工事業
  • 熱絶縁工事業
  • 建具工事業

「仕上げ」種別は、リフォーム工事や内装仕上げ工事を主に行う業者におすすめの資格です。

どの建築施工管理技士資格を取得すべきか?

建築施工管理技士の資格は、取得する資格の種類や種別によって、取得できる業種が異なります。自社が行う専門工事に対応する資格を選び、建設業許可を取得することが大切です。

また、資格を持っているだけでは建設業許可は簡単には取得できません。許可申請にはその他の要件も満たす必要があります。申請に必要な書類の準備や手続きに不安がある場合は、行政書士などの専門家に相談することを強くおすすめします

経営業務の管理責任者もハードルが高いです

建設業許可を取得する際につまずきやすいのが、「経営業務の管理責任者(経管)」の要件です。
この要件は、常勤している取締役のうち、以下のいずれかを満たす必要があります。

▼経営業務の管理責任者として認められるパターン

  1. 建設業に関して5年以上取締役として経験のある者(←メインで使うのはこれです)
  2. 建設業に関して5年以上取締役に準ずる地位(例:建設部長)にあり、経営業務のある者
  3. 建設業に関して、6年以上取締役に準ずる地位があるものとして、経営業務を補佐する業務に従事した経験がある者
  4. 建設業に関して2年以上役員等として経験を有し、かつ5年以上役員又は役員に次ぐ職制上の地位にあるもの。さらに5年以上財務管理、労務管理、業務運営管理の従事した者を補佐としておくこと。
  5. 5年以上役員としての経験を有し、かつ建設業に関して2年以上の経験があるもので更に、5年以上の財務管理、労務管理、業務運営管理に従事した補佐役をおくこと。

中小企業や個人経営に近い会社の場合は、「5年以上取締役としての経験(パターン1)」での証明が現実的です。

(例)
・建設会社の取締役として5年以上の経験がある。
・個人事業主として5年以上の経験がある。
・建設業許可を取得している建設業者の令3条の使用人(支店長)として5年以上の経験がある。

専任技術者の要件とは異なりますので、違いをきちんと把握しておきましょう!

お困りの際はご相談ください

経営業務の管理責任者の要件証明に関しては判断が難しいこともあります。
「自分が要件を満たしているかわからない」「証明書類が揃えられるか不安」など、お困りの方はお気軽に無料相談をご活用ください。

経営業務の管理責任者も専任技術者も常勤証明が大変です

「経営業務の管理責任者」も「専任技術者」も必ず営業所に常勤させる必要があります。

そして、その常勤性は原則、事業所名称に申請会社が記載された「健康保険証」で証明します。しかしマイナ保険証に移行後に入社した方や令和7年12月以降は健康保険証では証明することができませんので、下記書類が必要になります。

※申請する都道府県によって書類が変わりますので注意が必要です。

▼健康保険&厚生年金で常勤性を証明する方法

  • 健康保険・厚生年金保険被保険者に関する標準報酬決定通知書
  • 健康保険・厚生年金保険被保険者に関する資格取得確認及び標準報酬決定通知書

▼厚生年金関係で常勤性を証明する方法

  • 厚生年金保険の被保険者記録照会回答票
  • 資格取得届(新規に認定する者に限る)
  • 厚生年金保険70歳以上被用者該当届※70歳以上の新規に認定する者に限る
  • 厚生年金保険70歳以上被用者該当及び標準報酬月額相当額のお知らせ

▼住民税関係で常勤性を証明する方法

  • 住民税特別徴収税額通知書(徴収義務者用)
  • 住民税特別徴収切替届出※新規に認定する者に限り

▼健康保険組合関係で常勤性を証明する方法

  • 資格証明書

なお、採用した直後に常勤性を証明するのは、下記3パターンしかないかなと思います。

  • 健康保険・厚生年金保険被保険者に関する資格取得確認及び標準報酬決定通知書
  • 厚生年金保険の被保険者記録照会回答票
  • 住民税特別徴収切替届出

これらは手続きを行う中で、厳しくチェックされる項目なので注意しておきましょう。

なお、実際に常勤はしているのに、他社からも給料が発生していることで、「健康保険・厚生年金保険被保険者に関する標準報酬決定通知書」に他社の給料等の情報が載っていることも多いです。その場合は常勤性が認められないことが多いので非常に”やっかい”です。

また、以前は健康保険証だけで常勤性を証明できていたので、いわゆる有資格者を名義貸しのような方法でも建設業許可をとれていたケースも多いようですが、健康保険証が廃止された関係で常勤証明に関してはかなり厳しくなりました。”証明書類が揃えられるか不安”など、お困りの方はお気軽に無料相談をご活用ください。

建築施工管理技士で建設業許可を取得したい方へ

建築施工管理技士の資格をお持ちであれば、確かに建設業許可を取得するための大きなステップは踏んでいます。しかし、許可申請には他にもクリアすべき多くの厳しい要件があり、ちょっとしたミスや手続きの抜け漏れが大きなトラブルに繋がります

たとえば…

  • 必要な書類を集めるのに想像以上に時間がかかる
  • 事業の規模に見合った適切な許可業種を選べない
  • 資格があっても他の条件(財産的信用や欠格事由など)で許可が下りないことも…

これらの問題に直面した場合、後から修正や再申請が必要となり、時間とコストがかかるだけでなく、事業の開始が遅れる可能性も。自社だけで手続きを進めるのは、リスクを抱えることになります。

「これで本当に大丈夫かな?」と少しでも不安があるなら、今すぐウィルホープ行政書士事務所に相談を!手続きに精通した行政書士が、確実にサポートし、スムーズに許可を取得できるようお手伝いします。

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