建設業許可を取得したあとも法定の手続きがいくつかあります。建設業の許可取得後の手続きには、毎年行うものや、随時行うもの、または5年ごとに行うものがあります。
しかも、この手続きを怠ってしまうと許可の更新手続きが行えないという事態に陥ってしまいます。最近は、下請けや孫請けまで含めて取得を求める動きが大きくなっていますので、許可が失効すると会社の営業上重大な影響が生じます。
ただ、「知り合いの建設業者に聞いたら、建設業許可の更新は3年ごとに必要だと言われた」とご相談を受けたことがあります。
建設業法でも各行政が公開している手引きなどでも5年ごとに更新と記載されています。もしかしたら許可を受けている都道府県によっては、5年ではなく3年なのでしょうか?
実は平成6年12月に建設業法が改正され、3年から5年に変更されたのです。
平成6年以前から建設業許可を取得していた方の記憶に「建設業許可の有効期間は3年間」という記憶が残ってしまっていただけだと思います。
現在では有効期間は5年間ですので、間違えないようにしましょう。
平成6年12月までは建設業許可は3年間でした!
平成6年12月までは建設業許可は3年間だったとしても、今が5年ならあんまり覚える必要ないんじゃないかと思うでしょう。
平成6年12月までというのが実はとても重要です。
なぜかというと、建設業許可を取得するための要件の1つに「経営業務の管理責任者」の配置があります。
▼営業務の管理責任者の要件は次のいずれかに該当する方が必要
- 建設業に関して5年以上取締役として経験のある者
- 建設業に関して5年以上取締役に準ずる地位(建設部長等)にあり、経営業務のある者
- 建設業に関して、6年以上取締役に準ずる地位があるものとして、経営業務を補佐する業務に従事した経験がある者
- 建設業に関して2年以上役員等として経験を有し、かつ5年以上役員又は役員に次ぐ職制上の地位にあるもの。さらに5年以上財務管理、労務管理、業務運営管理の従事した者を補佐としておくこと。
- 5年以上役員としての経験を有し、かつ建設業に関して2年以上の経験があるもので更に、5年以上の財務管理、労務管理、業務運営管理に従事した補佐役をおくこと。
基本的に1の経験を使用することが多いのですが、建設業許可業者で5年間取締役をしていれば、かなりスムーズに証明することができます。いまの建設業許可は5年間なので、仮に一度も許可を更新していなかった場合でも許可を取得した時から許可が切れる時まで取締役になっていれば「建設業に関する5年間の取締役経験」を証明できます。
※東京都の場合は許可が失効してしまった場合は許可取得(もしくは最後に更新したとき)~失効までの期間は建設業許可業者としては認められないので注意が必要です。
しかし、平成6年12月までに建設業許可を取得していた業者での取締役経験では、一度は建設業許可を更新していなければ、許可期間は3年間なので5年間に満たないです。
したがって、許可業者での取締役経験を使用するからスムーズに許可を取得できると思っていると、思わぬ落とし穴に引っ掛かるかもしれません。