【建設業許可】塗装技能士で塗装工事業の許可を取ろう!

塗装技能士とは、各都道府県の職業開発能力協会が実施する技能検定の塗装に合格した人に与えられる国家資格です。

塗装技能検定においては、塗装に必要な技能を測る試験が行われます。

塗装技能士とは

塗装とは、塗料を用いて被塗装物を塗膜で覆うことで、その目的は主として、保護、美装、機能性の付与等です。

そして、塗装技能士は、建築物や工作物に塗装をするに関する技能を認定する国家資格です。

「塗装技能士」は、厚労省が所管する技能検定制度の一種であり、都道府県職業能力開発協会が認定試験を実施しています。

「塗装技能士」には1級・2級・3級があり、合格すると1級は厚生労働大臣から、2級・3級は各都道府県知事からそれぞれ合格証書が交付され、「技能士」を称することができます。

この塗装技能士の資格を得ることで、塗装工事についての専門的知識・技術を有しているとお墨付きをもらえるのです。

塗装技能技能検定の受験資格

塗装技能検定の受験資格は、学歴等に応じて下記のとおりになっております。

▼2級の受験資格

学歴等必要な実務経験年数
通常3級合格後
実務経験のみ2年0年
専門高校卒業0年0年
専修学校(大学入学資格付与課程)卒業0年0年
短期大学卒業0年0年
高等専門学校卒業0年0年
高校専攻科卒業0年0年
専修学校(大学編入資格付与課程)卒業0年0年
大学卒業0年0年

▼1級の受験資格

学歴等必要な実務経験年数
通常2級合格後3級合格後
実務経験のみ7年2年4年
専門高校卒業6年2年4年
専修学校(大学入学資格付与課程)卒業6年2年4年
短期大学卒業5年2年4年
高等専門学校卒業5年2年4年
高校専攻科卒業5年2年4年
専修学校(大学編入資格付与課程)卒業5年2年4年
大学卒業4年2年4年

試験日

技能検定は、年1回行われます。

試験区分試験日
実技試験例年12~2月頃
学科試験例年1~2月頃

2級塗装技能検定の試験内容

学科試験科目範囲
1. 塗装一般塗装の目的
塗装法の種類
塗料の調合及び色合わせの方法
塗料の乾燥の方法
塗膜試験の種類及び方法
塗装における欠陥の種類及び原因並びにその防止方法及び補修方法
塗装作業における養生
塗装に使用する器工具の種類、特徴及び使用方法
2. 材料塗料の種類及び性質
うすめ材及び溶剤の種類、性質及び用途
塗装用補助材料の種類、特徴及び用途
3. 色彩色彩の用語
色彩の表示方法
色彩調節
4. 関係法規消防法関係法令、毒物及び劇薬物取締法関係法令、廃棄物の処理及び清掃に関する法律関係法令及び特定環境物質の環境への排気量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律関係法令のうち、塗装工事に関する部分
5. 安全衛生安全衛生に関する詳細な知識
6-1. 木工塗装法被塗装物の種類、性質及び用途
木工塗装用の塗料の用途
木工塗装の工程
素地調整の方法
下地調整の方法
木工塗装の方法
木工塗装用の機械の種類及び使用方法
6-2. 建築塗装法被塗装物の種類及び性質
建築塗装用の塗料の用途
建築塗装の工程
素地調整の方法
下地調整の方法
建築塗装の方法
建築塗装用の機械の種類及び使用方法
建築物及び鉄工建築物の種類及び特徴
6-3. 金属塗装法被塗装物の種類及び性質
金属塗装用の塗料の用途
金属塗装の工程
素地調整の方法
下地調整の方法
金属塗装の方法
金属塗装用の機械の構造、調整及び使用方法
金属塗装用設備の種類及び使用方法
6-4. 鋼橋塗装法被塗装物の種類及び性質
鋼橋塗装用の塗料の用途
鋼橋塗装の工程
素地調整の方法
下地調整の方法
鋼橋塗装の方法
鋼橋塗装用の機械の種類及び使用方法
足場の種類及び組立て方法
6-5. 噴霧塗装法噴霧塗装用の塗料の用途
噴霧塗装の工程
素地調整の方法
噴霧塗装の方法
噴霧塗装用の機械の構造、調整及び使用方法
噴霧塗装用設備の種類及び使用方法

※6-1~6-5のうちいずれか1科目を選択

実技試験科目範囲
1. 木工塗装作業へら及びたんぽの製作
素地調整
塗装作業
膜厚及び塗り色の判定
塗膜の修整
2. 建築塗装作業素地調整
塗装作業
膜厚及び塗り色の判定
塗膜の修整
3. 金属塗装作業へらの調整
素地調整
塗装作業
膜厚及び塗り色の判定
塗膜の修整
4. 鋼橋塗装作業素地調整
塗装作業
塗膜の修整
5. 噴霧塗装作業噴霧塗装機の分解、組立て及び調整
素地調整
噴霧塗装機による塗装作業
塗装用設備の調整及び使用
素地の良否の判定
膜厚及び塗り色の判定
塗膜の修整

※1~5のうちいずれか1科目を選択

1級塗装技能検定の試験内容

学科試験科目範囲
1. 塗装一般塗装の目的
塗装法の種類
塗料の調合及び色合わせの方法
塗料の乾燥の方法
塗膜試験の種類及び方法
塗装における欠陥の種類及び原因並びにその防止方法及び補修方法
塗装作業における養生
塗装に使用する器工具の種類、特徴及び使用方法
2. 材料塗料の種類及び性質
うすめ材及び溶剤の種類、性質及び用途
塗装用補助材料の種類、特徴及び用途
3. 色彩色彩の用語
色彩の表示方法
色彩調節
4. 関係法規消防法関係法令、毒物及び劇薬物取締法関係法令、廃棄物の処理及び清掃に関する法律関係法令及び特定環境物質の環境への排気量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律関係法令のうち、塗装工事に関する部分
5. 安全衛生安全衛生に関する詳細な知識
6-1. 木工塗装法被塗装物の種類、性質及び用途
木工塗装用の塗料の用途
木工塗装の工程
素地調整の方法
下地調整の方法
木工塗装の方法
木工塗装用の機械の種類及び使用方法
6-2. 建築塗装法被塗装物の種類及び性質
建築塗装用の塗料の用途
建築塗装の工程
素地調整の方法
下地調整の方法
建築塗装の方法
建築塗装用の機械の種類及び使用方法
建築物及び鉄工建築物の種類及び特徴
6-3. 金属塗装法被塗装物の種類及び性質
金属塗装用の塗料の用途
金属塗装の工程
素地調整の方法
下地調整の方法
金属塗装の方法
金属塗装用の機械の構造、調整及び使用方法
金属塗装用設備の種類及び使用方法
6-4. 鋼橋塗装法被塗装物の種類及び性質
鋼橋塗装用の塗料の用途
鋼橋塗装の工程
素地調整の方法
下地調整の方法
鋼橋塗装の方法
鋼橋塗装用の機械の種類及び使用方法
足場の種類及び組立て方法
6-5. 噴霧塗装法噴霧塗装用の塗料の用途
噴霧塗装の工程
素地調整の方法
噴霧塗装の方法
噴霧塗装用の機械の構造、調整及び使用方法
噴霧塗装用設備の種類及び使用方法

※6-1~6-5のうちいずれか1科目を選択

実技試験科目範囲
1. 木工塗装作業へら及びたんぽの製作
素地調整
塗装作業
膜厚及び塗り色の判定
塗膜の修整
2. 建築塗装作業素地調整
塗装作業
膜厚及び塗り色の判定
塗膜の修整
3. 金属塗装作業へらの調整
素地調整
塗装作業
膜厚及び塗り色の判定
塗膜の修整
4. 鋼橋塗装作業素地調整
塗料の粘度の測定
塗装作業
膜厚の測定
塗膜の修整
5. 噴霧塗装作業噴霧塗装機の分解、組立て及び調整
素地調整
噴霧塗装機による塗装作業
塗装用設備の調整及び使用
素地の良否の判定
膜厚及び塗り色の判定
塗膜の修整

※1~5のうちいずれか1科目を選択

これに合格することで、路面標示施工技能士の資格を得ることができます。

建設業許可を取得するための要件について

この資格を取得後、どうやったら建設業許可が取れるのでしょうか?

まず初めに建設業の許可を申請する際に、必ず下記の要件をクリアしておかなければ許可はおりません。

  1. 経営業務に関わる方の中に、経営業務管理責任者を置く必要がある
  2. 工事に関わる契約を結び、見積もりを行う営業所を設置する
  3. 許可を受けたい業種の専任技術者を配置する必要がある
  4. 財産的信用の基準を満たしている
  5. 欠格事由に該当していないこと

これらの要件は、内容も複雑で厳しい条件などが含まれます。

この中で、今回のテーマに関わりのある3.の専任技術者についてご説明します。

▼許可を受けたい業種の専任技術者を配置する必要がある

営業所(本店等)に常勤する専任技術者がいることです。専任技術者の要件は一般建設業許可と特定建設業許可で異なりますが、一般建設業の場合は常勤している従業員のうちつぎの4つのいづれかの要件を満たす必要があります。

  1. 定められた国家資格を持っている
  2. 定められた国家資格+資格取得後一定の実務経験がある
  3. 指定学科を卒業し、学歴に応じた実務経験がある
  4. 10年以上の実務経験がある

そこで1級・2級塗装技能士ともに国家資格なのですが、2級に関しては資格取得後一定の実務経験を有していなければ専任技術者となることはできません。

専任技術者になることができる建設業種

1級塗装技能士2級塗装技能士は、建設業許可における下記の業種の専任技術者になることができます。

  • 塗装工事業

※2級の場合は、試験合格後3年以上の実務経験を証明する必要あり

2級の場合の3年間の実務経験を証明する方法

3年間の実務経験を証明するケースについてよく相談をうけるのはこの2つのパターンに分かれます。

  1. 塗装工事業の建設業許可のある業者で3年以上実務経験を積んだ場合
  2. 塗装工事業の建設業許可のない業者で3年以上実務経験を積んだ場合

①塗装工事業の建設業許可のある業者で3年以上実務経験を積んだ場合

許可がある業者での経験の場合は、基本的には、許可通知書を用意するだけで証明できます。

しかし、塗装工事業の建設業許可を取得している他社での3年以上の実務経験を有しているものの、協力を得ることができないということはよくあります。

建設業許可の場合は、まずはその会社がどこの都道府県で許可を取得していたかを確認しましょう。東京都や神奈川県の場合は、行政に「会社名」「営業所の住所」「当時の代表取締役」を伝えるだけで、いつからいつまで許可を取得していたか教えてくれる場合があります。また大阪の場合は行政文書の開示請求をすることで許可状況が記載された文書(黒台帳と呼ばれています)を手に入れることができます。

②塗装工事業の建設業許可のない業者で3年以上実務経験を積んだ場合

建設業許可を取得していない会社での経験の場合は、ハードルがかなり高くなります。

まず、塗装工事業に関する実務経験を3年以上証明するためには、その会社での塗装工事業に関する請負契約書注文書+請書請求書+入金記録といった証明書類が必要になります。

前職の経験を証明したい場合は、当時の会社に協力を依頼することしかできないので、かなりハードルは高くなりますが、当時の取引先と関係性が続いているのであれば、そこからクリアの糸口を見つけていくことも方法です。

諦めずにまずは行政書士等の専門家に相談をしながら進めていくべきでしょう。

塗装工事業の建設業許可を取得して請け負える工事

塗装工事業は、工作物に塗料や塗材などの吹き付けや塗り付け、はり付けを行う工事を指します。
「塗装工事」「溶射工事」「ライニング工事」「布張り仕上工事」「鋼構造物塗装工事」「路面表示工事」が該当します。
例えば、道路を舗装する工事は舗装工事業にあたりますが、舗装した道路に車線を引く工事は塗装工事業として扱われます。
ここからは、6種類ある塗装工事業の具体的な内容について説明します。

1:塗装工事

塗装工事は、塗装物を補強する、防水加工を行い風雨に備える、火災から建造物等を守るために耐火性を上げる、などのさまざまな目的を伴った塗装工事業です。
使用する塗料の特性はさまざまなものがあり、あらかじめ顧客とよく相談した上で、ニーズと合致した最適な塗装が求められます。
塗装は劣化するものであるため、定期的にチェックを行い、塗り替えを行うことも塗装工事における大切な仕事の一つです。

2:溶射工事

溶射工事は、基礎の金属に別の金属を溶射することで、吹き付けた金属の特性を付加させる「表面加工」と呼ばれる作業を行う塗装工事業です。
鉄鋼構造物に防錆・防食を施し、基材保護をする、有機溶剤や各種ガスに接する環境下で基礎の金属を守る、耐蝕性・耐摩耗・耐熱遮熱・電気絶縁・耐酸化の性能を上昇させるなどが、溶射工事の目的です。
アーク溶射やプラズマ溶射など、さまざまな種類の溶射が存在し、目的や溶射する金属に応じて使い分けます。

3:ライニング工事

ライニング工事は、ビルやマンションなどの建物に張り巡らされている給排水管の内側から専用の塗料を流すことで、新管のようにする塗装工事業です。
給排水管が腐食、破損した際に、コストや工事の規模などの観点から、配管の取り替えを控えたいと感じているビル管理会社やマンションオーナーは一定数います。
そのような際に、ライニング工事は取り替えを行わずに配管を再生させられるのです。

4:布張り仕上工事

布張り仕上工事は、建造されている建物の壁に布地を貼り付け、そこに着色して布地が見えるように仕上げる塗装工事業です。
使用する布地としては、丈夫で仕上効果の高いものが推奨されます。
顧客のニーズに合わせて寒冷紗・レース地・ヘッシャンクロスなどの、建物のイメージと合致した布を使う必要性もあります。
布地の貼り方はそのまま貼り付ける突き付け張りと一部を重ねて貼り付ける重ね張りの2通りが存在し、その後に着色して仕上げます。

5:鋼構造物塗装工事

鋼構造物塗装工事は、防錆塗膜を鋼材の表面に作り、鋼構造物を錆や腐食から守る塗装工事業です。
橋梁・工事プラント・タンクなどの大型建造物を構成する鋼構造物が主な施工対象です。
これらの建造物は風雨などに晒されて錆や劣化が進行しやすく、なおかつ崩壊した際の被害が深刻なものであるため、鋼構造物塗装工事が必須と言えます。
防錆塗膜は下塗り・中塗り・上塗りの3層で構成されており、組み合わせて素地の保護と外部環境からの防御、そして強固な付着を実現します。

6:路面標示工事

路面表示工事は、道路にセンターラインや横断歩道のラインなどの区画線を引く塗装工事業です。
道路に関連する工事であるため、舗装工事業と誤解されるケースも多々ありますが、塗装工事業の中に含まれています。
工事用の車両で道路上を移動しながら加熱した塗料を扱う仕事であるため、素早く業務を行う機敏さと、安全面に注意しながら作業を進める繊細さが求められる工事であると言えます。

塗装技能士のまとめ

今回は、専任技術者になれる塗装技能士についてご紹介しました。

1級技能士の資格は、10年間の実務経験を証明することなく専任技術者になることができますし、2級技能士の資格でも合格後3年以上の実務経験を証明することで専任技術者になることができます。建設業許可を取得・業種追加をしたい業者にはおすすめの資格です。

しかし、建設業許可は専任技術者以外でも様々な要件をクリアする必要があり、申請するためにも作成する書類は膨大です。

なるべく早く許可が必要な方は、自社で行うより、行政書士等の専門家に相談して進める方が結果的に早く許可を取得することができるでしょう。

なお、建設業許可は営業所を構えている都道府県に申請をすることになりますが、各都道府県によって審査基準が大きく変わります。東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県で建設業許可の取り方を裏ワザも含めてまとめているので、ぜひご確認ください。

手続きに不安があり代行してほしい方は、行政書士など専門家への相談をおすすめします。適切なサポートを受けられ、よりスムーズに手続きを進められるでしょう。

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