建築機械施工管理技士で建設業許可はとれるのか?取得できる業種についてまるっと解説!

建設業は、国民の生活インフラを支える重要な役割を担う業界です。

そのため、建設や建築には工程を適切に管理できる人材が必須ですが、それを証明できる国家資格の一つが建築機械施工管理技士です。

そこで、建築機械施工管理技士の試験に合格したから、建設業の許可を取ることができるのという質問をよくいただきます。

建築機械施工管理技士の国家資格があると建設業許可を取得しやすくなることはもちろんです。
また、すでに取得している建設業許可の業種を増やすことが可能になります。

このページでは、建築機械施工管理技士がどのような業種の建設業許可を取得できるか紹介していきます!

建設業許可を取得するための要件について

まず初めに建設業の許可を申請する際に、必ず下記の要件をクリアしておかなければ許可はおりません。

  1. 経営業務に関わる方の中に、経営業務管理責任者を置く必要がある
  2. 工事に関わる契約を結び、見積もりを行う営業所を設置する
  3. 許可を受けたい業種の専任技術者を配置する必要がある
  4. 財産的信用の基準を満たしている
  5. 欠格事由に該当していないこと

これらの要件は、内容も複雑で厳しい条件などが含まれます。この中で、今回のテーマに関わりのある3.の専任技術者についてご説明します。

▼許可を受けたい業種の専任技術者を配置する必要がある

営業所(本店等)に常勤する専任技術者がいることです。専任技術者の要件は一般建設業許可と特定建設業許可で異なりますが、一般建設業の場合は常勤している従業員のうちつぎの4つのいづれかの要件を満たす必要があります。

  1. 定められた国家資格を持っている
  2. 定められた国家資格+資格取得後一定の実務経験がある
  3. 指定学科を卒業し、学歴に応じた実務経験がある
  4. 10年以上の実務経験がある

そこで建築機械施工管理技士は国家資格なので、1.の条件に該当します。

そもそも建築機械施工管理技士とは?

建築機械施工管理技士とは、7つに分けられる施工管理技士という国家資格の中の1つで、建設業の中でも建設機械を使った工事の品質管理や安全管理する工事全般を担当します。  

さらに、作業員の作業工程やスケジュールの管理を行い、現場における司令塔としても監督的な立場ですのでマネジメント業務が中心です。

この施工管理が適切に行われていないと、計画にズレが生じ、工事が当初のスケジュール通りに進まなくなることがあります。そうなると、スケジュールを調整するために、現場の作業員に無理を強いることになりかねません。

その結果、集中力が散漫になり、予期せぬ事故が発生することもあります。作業現場で働く人々の安全を守る重要な仕事と言えるでしょう。

1級と2級の違い

建築機械施工管理技士には、1級と2級があります。

1級建設機械施工管理技士について

1級建設機械施工管理技士は、建設機械を使った施工の指導や監督の業務を行え、大規模な建設現場における主任技術者と監理技術者になることも可能です。1級の場合は扱える機械の制約もありません。

そのため、2級建設機械施工管理技士と比べると1級の方が業務の幅は広く、2級では扱えない高額の工事にも対応可能です。

2級建設機械施工管理技士について

2級建設機械施工管理技士は、資格は第1種から第6種に分かれており、資格を取得すると、それぞれに対応した機械の運転や施工管理、安全管理を行えるようになります。

▼第1種から第6種に該当する機械

種別該当する機械
第1種トラクター系建設機械(ブルドーザーなど)
第2種ショベル系建設機械(油圧ショベルなど)
第3種モーター・グレーダー
第4種締め固め建設機械(ロード・ローダーなど)
第5種舗装用建設機械(アスファルト・フィニッシャーなど)
第6種基礎工事用建設機械(アースオーガなど)

対象となっている機械を用いた施工において運転・施工業務に携わり、対象の機械の運転技術者や、一般建設業の現場の主任技術者として施工管理を行うのに必要な資格です。

建築機械管理技士を持っているとどの業種の建設業許可が取れる?

建築機械施工管理技士の国家資格を持っていると、1級でも2級(1種~6種問わず)でも、次の業種の建設業許可を取ることができます。

  • 土木工事業(土木一式工事)
  • とび土工工事業
  • 舗装工事業

土木施工管理技士とは違う?

建設機械施工管理技士と混同されることがあるのが、土木施工管理技士です。
土木施工管理技士は土木工事の安全や進捗の管理を行います。
建設機械施工管理技士は、建設機械の施工に関わる部分の施工管理や安全管理を行います。

両者は似ているようでも、できることが一部異なるため、業務内容に合わせてどちらの資格を取得するのか検討するのが良いでしょう。

また受験資格も少し異なっており、建設機械施工管理技士の方が受験資格に必要な実務経験が短いため、建設機械施工管理技士の資格を取得してから、必要に応じて土木施工管理技士の資格を取得するケースもあるでしょう。

なお、土木施工管理技士で許可が取れる業種は以下の通りです。

▼1級土木施工管理技士を持っていると、次の業種の建設業許可を取ることができます。

  • 土木工事業(土木一式工事)
  • とび土工工事業
  • 石工事業
  • 舗装工事業
  • しゅんせつ工事業
  • 鋼構造物工事業
  • 塗装工事業
  • 水道施設工事業
  • 解体工事業

▼2級土木施工管理技士(種別:土木)を持っていると、次の業種の建設業許可を取ることができます。

  • 土木工事業(土木一式工事)
  • とび土工工事業
  • 石工事業
  • 舗装工事業
  • しゅんせつ工事業
  • 鋼構造物工事業
  • 水道施設工事業
  • 解体工事業

専任技術者の配置する場合の注意する点

専任の技術者を置く場合に、下記の項目に注意する必要があります。

必ず常勤であること
・社会保険に加入しておくこと(雇用保険・健康保険・厚生年金全て)
・他の会社で、専任技術者として登録していないこと(同一企業でないと兼任は認められません)
・資格を持っている証拠として“合格証”が手元にあるか

これらは手続きを行う中で、厳しくチェックされる項目なので注意しておきましょう。

建築機械施工管理技士で建設業許可を取得する場合のまとめ

今回は、建築機械施工管理技士がどのような業種の建設業許可を取得できるかというテーマでご紹介しました。

1級・2級かかわらず建築機械施工管理技士の資格は、10年間の実務経験を証明することなく複数の業種で専任技術者になることができるので、土木系の工事を幅広く行う事業者様にとっては、かなり便利な資格です。

しかし、建設業許可は専任技術者以外にも様々な要件をクリアする必要があり、申請するためにも作成する書類は膨大です。

なるべく早く許可が必要な方は、自社で行うより、行政書士等の専門家に相談して進める方が結果的に早く許可を取得することができるでしょう。

手続きに不安があり代行してほしい方は、行政書士など専門家への相談をおすすめします。適切なサポートを受けられ、よりスムーズに手続きを進められるでしょう。