古物商許可は、中古品やリユース品を取り扱う際に必要な許可です。建設業者さんにとっても、例えば中古の建設機械や工具を売買を行う場合や建設現場から出る価値のある不用品を売買するには、この許可が必要になることがあります。
このページでは、古物商許可についてや建設業者さんが古物商許可を取得するメリットについて、解説します。
そもそも古物商許可とは?
古物商許可は、中古品(古物)を取り扱う事業を行うために必要な許可です。古物とは、一度使用された物品や、新品であっても使用を目的に取引されたものを指します。
古物商許可を取得しなければ、これらの中古品を買い取って販売することはできません。
それでは、古物証許可が必要な取引と不要な取引を見てみましょう。
古物商許可が必要な取引 | 古物商許可が不要な取引 |
---|---|
中古品の買取・販売 | 新品の販売 |
中古品のレンタル | 自分の不用品の処分 |
中古品の輸出(日本で仕入れ、海外で販売) | 中古品の輸入(海外で仕入れ、日本で販売) |
古物商許可が必要な取引は、盗品が紛れ込む可能性があるため、警察による監視や記録が求められます。特に建設業では、使用済みの建設機械や工具を販売する場合、この許可が必要です。
古物商許可ってどんな資格?
古物商許可は、中古品など(これを古物といいます)を転売目的で買い取る場合に必要となる資格です。
この許可なく古物の転売をした場合、無許可営業として「3年以下の懲役又は100万円以下の罰金」が科されます。
古物商許可には建設業許可のような更新制度がなく、一度取得したら原則として生涯有効です。
また、許可を取得するのに建設業ほど厳しい要件はなく、比較的取りやすい資格といえます。
建設業で古物商許可を取得すれば事業の幅が広がります
建設業で古物商許可を取得すれば「事業の幅が広がる」という大きなメリットがあります。
建設現場ではいままで、不用品の処分・回収は発注者が廃棄物処理業者や古物商に依頼をしたり、建設会社側で知り合いの廃棄物処理業者や古物商を紹介したりすることが一般的でした。
ですが、最近ではリサイクルの観点からまだまだ使用することができるものは、廃棄物処理業者ではなく古物商に買い取ってもらうことケースが増えているのです。また、建設事業者が自ら古物商許可を取って、不用品の売買をしているケースが増えています。
買い取る商品や数などによっては大きな利益になることもあります。
発注者側としても、別の古物商とやり取りをするよりも、建設会社に買い取ってもらった方が簡単で便利なことが多いです。
それでは、具体的にどんなケースで古物商許可が利用されているのか説明をします。
ケース①リフォーム工事・内装工事の場合
内装工事やリフォームをすると、不用品がたくさんでます。例えば、飲食店の内装工事などをすると、業務用の冷蔵庫やイス・テーブルなどが不要になるケースがあります。
古物商許可があれば、これらを買い取って売却することができます。発注者としても面倒な不用品の処分ができて喜ばれることでしょう。
ケース②空調設備工事の場合
エアコンなどの空調設備(管工事)の現場では新品のエアコンに入れ替えを行う工事が多いと思います。
古物商許可があれば、このエアコンを下取り・売却することが可能です。
ケース③解体工事の場合
解体工事ではさまざまな不用品が出ます。古物商許可があれば価値のある商品を買い取り・売却することができます。
解体工事現場の場合は古物商許可以外にも産業廃棄物収集運搬業許可を取得することで、価値あるものは買い取り、価値のないものは廃棄物として手数料をもらってごみ処理場まで運ぶことができるのでかなりメリットがあります。
ケース④自社の建設機械や工具をレンタルする場合
中古品のレンタル業も古物商許可が必要になります。古物商が許可があれば自社で所有している建設機械や工具を下請や孫請にレンタルし利益を出すことができます。
使用していない建設機械や工具がたくさんある場合はレンタルもぜひご検討ください。
建設業者が古物商許可を取得する際の注意点
古物商許可を申請する場合、会社の事業目的に「古物営業に関する記載」が必要です。
事業目的は、定款や登記簿謄本などで確認することができます。
もし、事業目的に古物商に関する記載が全くない場合は事業目的の追加・変更が必要になりなり、変更登記手続きに時間がかかってしまいます。なるべく早くから準備することが必要です。
また、古物商許可の申請手続きはとても複雑です。
まずは申請先がどこなのかを確認し、その後申請書類を作成準備しなければいけません。建設業許可や宅建業免許のように手引き(申請マニュアル)も公表されていません。
もし、効率よく許可の取得を目指すのであれば、行政書士などの専門家に相談することをお勧めします。
建設業の会社が古物商許可を取るメリット まとめ
建設業の会社が古物商許可を取るメリットは「事業の幅が広がること」です。建設現場では色々な不用品が出ます。
古物商許可があれば、建設現場からでる価値のある不用品を買い取って売却することが可能です。
お客様としても、不用品処分の手間が省けるので効率的です。
もし、効率よく許可を取って古物ビジネスをスタートさせたいのであれば、行政書士など専門家への相談をおすすめします。適切なサポートを受けられ、よりスムーズに手続きを進められるでしょう。
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