【神奈川県】建設業許可を勝ち取れ!最短ルート&裏ワザ完全ガイド!

建設業許可が取りたいのに、要件の壁にぶつかっていませんか?

「500万円以上の工事を請け負いたい。でも建設業許可の要件を満たしていない…」
「昔の書類が残っておらず、証明ができない…」
そんな悩みを抱える建設業者さんは、実は少なくありません。

しかし、神奈川県だけで、建設業許可を取得している業者は29,070社。これは、全国の許可業者のうち6%が神奈川県知事許可業者ということになります(令和6年3月末時点)。
この数字は「神奈川県内にしか営業所がない業者」だけのものなので、大臣許可(複数都道府県に営業所がある)を含めれば、実際にはもっと多くの事業者が神奈川県内で許可を持っていることになります。

つまり、神奈川県で本格的に建設業を続けていくには「許可取得」はもはや必須。
しかし実際には──
・要件を満たせない
・書類がそろわない
・そもそもどうやって進めていいか分からない
そんな理由で、許可申請をあきらめかけている事業者さんも少なくありません。

このページでは、神奈川県で建設業許可を取得するための

① 経営業務の管理責任者(経管)② 専任技術者(専技)③ 500万円の財産要件

のクリア方法から、裏ワザ・実際の申請書類の準備方法まで、分かりやすくご紹介します。

  1. 神奈川県に営業所があるかを確認しましょう!
    1. 営業所として認められるケース・認められないケース
    2. 登記上の本店所在地と実際の営業所所在地が異なる場合
  2. 要件①:経営業務の管理責任者の要件をクリアする裏ワザ
    1. ①許可のない業者で5年以上経営経験(役員経験)があるけど、証明書類がない時
    2. ②許可のある業者で5年以上経営経験(役員経験)があるけど、証明書類がない時
  3. 要件②:専任技術者の要件をクリアする裏ワザ
    1. 10年以上の実務経験はあるけど、証明書類がない時
    2. 施工管理技士補の活用
    3. とび・土工工事業であれば登録土工基幹技能者の講習受講を狙う!
    4. ②8年の実務経験ならある場合(実務経験の緩和措置)
    5. 経営業務の管理責任者も専任技術者も常勤性も求められます
  4. 要件③:財産要件をクリアする裏ワザ
    1. ①自己資本が500万円以上あること
    2. ②500万円以上の残高証明書を用意できるか
  5. 神奈川県:建設業許可の申請先
    1. 神奈川県知事許可の場合=窓口申請or郵送申請
    2. 神奈川県知事許可の審査期間
  6. 建設業許可に必要な書類一覧
    1. 建設業許可の申請書類
    2. 建設業許可に必要な添付書類
    3. 確認、裏付けが必要な資料
  7. 行政書士に依頼するメリット:自分で申請するには書類の収集が難しい
  8. 神奈川県で建設業許可を!この方法自社で使える?

神奈川県に営業所があるかを確認しましょう!

まず前提として、神奈川県知事の建設業許可を取得するには、建設業の営業所が「神奈川県内のみにあること」が必要です。

他の都道府県にも建設業の営業所がある場合は、「国土交通大臣の許可」が必要になります。
そのため、どこに営業所があるのか、どの営業所で建設業を営んでいるのかを事前にしっかり確認することが重要です。

営業所と認められるためには、契約締結の権限が与えられていることが必要であり、以下の要件を備えていなければなりません。

  • 工事の見積もりや入札、契約書の締結行為など、請負契約に係る実体的な業務を行っていること
  • 契約締結に関する権限を付与された者が常勤していること
  • 営業を行う場所を有し、電話や机などの物理的な施設を備えていること
  • 専任技術者が常勤していること

営業所が複数ある場合、すべてが建設業の営業所に該当するとは限りません。たとえば、

  • 神奈川県の営業所では建設業を行っている
  • 東京都の営業所では不動産業のみを行っている

このような場合は、建設業を行っているのは神奈川県の営業所のみと判断され、神奈川県知事の建設業許可で足ります

このように、営業所の所在地と実態によって、どの許可が必要かが変わるため、正確な判断が大切です。

営業所として認められるケース・認められないケース

・JKK・UR・都営住宅

JKK(東京都住宅供給公社)・UR(都市再生機構)・都営住宅などの公共賃貸住宅は、営業所としては認められていません。理由は、これらの住宅は住居専用として貸し出されており、事務所や営業所としての利用が契約上禁止されているためです。

・作業小屋、物置

作業小屋や物置も、建設業許可の営業所としては原則認められません。一時的な事務作業を行う場として使われることはあっても、契約や見積もりといった対外的な業務を行う場所とは見なされにくいためです。
「来客を招いて請負契約等を行う拠点」としての体裁がないと、営業所とは認められません。

・自宅兼事務所

自宅を営業所として使用する場合でも、以下のような条件を満たす必要があります。

  1. 居住スペースと事務スペースが明確に分離されていること
  2. 来客が事務スペースに入るまでにリビングなどの居住空間を通らない構造になっていること

このように、営業所としての独立性が問われるため、単なる「自宅の一角」では認められないケースもあります。

〇事務所として認められるケース

×事務所として認められないケース

・同一フロアに別法人がいる場合

同一フロアに別法人が入居している場合にも注意が必要です。フロア図等を用いて、営業所が他法人とは「分離独立」していることを示さなければなりません。

登記上の本店所在地と実際の営業所所在地が異なる場合

「登記上の所在地」と「実際に営業している営業所の所在地」が異なることに違和感を持たれる方もいるかもしれませんが、会社の規模や運営形態によってはよくあるケースです。

たとえば、

  • 登記上の本店所在地は自宅だが、
  • 実際の営業所は別に事務所を借りている、というようなケースです。

このような場合には、登記上の本店ではなく、実際に建設業の営業活動を行っている場所で建設業許可を取得することになります。

要件①:経営業務の管理責任者の要件をクリアする裏ワザ

経営業務の管理責任者の要件は常勤している取締役のうち、つぎのいづれかの要件をクリアする必要があります。

  1. 建設業に関して5年以上取締役として経験のある者
  2. 建設業に関して5年以上取締役に準ずる地位(建設部長等)にあり、経営業務のある者
  3. 建設業に関して、6年以上取締役に準ずる地位があるものとして、経営業務を補佐する業務に従事した経験がある者
  4. 建設業に関して2年以上役員等として経験を有し、かつ5年以上役員又は役員に次ぐ職制上の地位にあるもの。さらに5年以上財務管理、労務管理、業務運営管理の従事した者を補佐としておくこと。
  5. 5年以上役員としての経験を有し、かつ建設業に関して2年以上の経験があるもので更に、5年以上の財務管理、労務管理、業務運営管理に従事した補佐役をおくこと。

建設業許可において経営業務の管理責任者でつまずくケースが一番多いです。5年以上の経営経験(役員経験)というのは、かなり高いハードルだからです。

よく相談をうけるのはこの2つのパターンに分かれます。

  1. 許可のない業者で5年以上経営経験(役員経験)があるけど、証明書類がない時
  2. 許可のある業者で5年以上経営経験(役員経験)があるけど、証明書類がない時

それぞれ対処方法を解説します。

①許可のない業者で5年以上経営経験(役員経験)があるけど、証明書類がない時

建設業許可がない法人の代表または個人事業主(一人親方)として5年以上営んできた場合、建設業を行っていた証明をしなければいけません。その証明方法は建設業に関する請負契約書、注文書+請書、請求書+入金記録といった書類の提出です。

▼必要書類の一例

必要書類
法人役員の
経験
①登記事項証明書

②工事請負契約書、注文書+請書、請求書+入金記録
 (証明期間分:1年ごとに1件
or
確定申告書(業種欄に建設業とわかるものに限る)
(必要年数分)
個人事業主の
経験
①確定申告書(受付印のあるもの)

②工事請負契約書、注文書+請書、請求書+入金記録
 (証明期間分:1年ごとに1件
or
確定申告書(業種欄に建設業とわかるものに限る)
(必要年数分)

「書類がない!」という相談は、本当によくあります。5年以上しっかり建設業をしてきたにも関わらず、証明書類が手元に残っていない――

ですが、あきらめる必要はありません。
下記のような方法で、証明できる可能性があります。

<確定申告書について>

個人事業主の経験を証明する場合、確定申告書(受付印のあるものに限る)が必須になりますが、7年前までであれば、なくしてしまっても管轄税務署へ行政文書の開示請求を行うことで入手できる可能性はあります。

見つからない場合でも、諦めずにまずは行政書士等の専門家に相談をしながら進めていくべきでしょう。

なお、令和7年1月より、確定申告書に受付印が押されなくなります。そのため、受付印の代わりに税務署で交付された「リーフレット」のコピーを提出します。このリーフレットは希望者にのみ配布されますので必ず受け取っておきましょう。

<請負契約書、注文書+請書について>

当時の取引先に依頼して、契約書や注文書のコピーをもらう方法があります。工事の実績が確かであれば、意外と協力してもらえるケースも多いです。

<請求書+入金記録について>

請求書は、確定申告時に税理士にコピーを渡しているケースは多いと思うので、税理士に確認するのもいいでしょう。

通帳がなくても、入金記録は過去10年分まで取引明細書発行してもらえることが多いので銀行に問い合わせましょう。

入金記録さえ入手することができ、かつ、工事実績が確実にあるのであれば、証明する方法はいくつもあります。

この建設業許可のない業者で5年以上経営経験(役員経験)を「他社での経験」+「協力を得ることができない」場合は相当ハードルが高くなります。当時の取引先と関係性が続いているのであれば、そこからクリアの糸口を見つけていくことも方法です。

証明書類が準備できなそうでも、諦めずにまずは行政書士等の専門家に相談をしながら進めていくべきでしょう。

②許可のある業者で5年以上経営経験(役員経験)があるけど、証明書類がない時

許可がある業者で経営経験がある場合、基本的には許可通知書を提出することで経営経験を証明することができます。しかし、許可を持っている他社で役員として5年以上の経験がある場合でも、その証明に協力を得ることができないケースはよくあります。

その場合、次の方法で証明を進めることができます

  1. 会社の許可を取得した都道府県を確認
    許可を取得していた都道府県をまず確認することが重要です。
  2. 東京都や神奈川県の場合
    行政に対して「会社名」「営業所の住所」「当時の代表取締役」を伝えることで、その会社がいつからいつまで許可を取得していたのかの情報を提供してもらえる場合があります。
  3. 大阪の場合
    大阪では、行政文書の開示請求をすることで、許可状況が記載された「黒台帳」という文書を手に入れることが可能です。

これらの情報から証明することができるので、諦めずにまずは行政書士等の専門家に相談をしながら進めていくべきでしょう。

要件②:専任技術者の要件をクリアする裏ワザ

2つ目の要件は、営業所(本店等)に常勤する専任技術者がいることです。専任技術者の要件は一般建設業許可と特定建設業許可で異なります。

<一般建設業許可の専任技術者の要件>

以下のいずれかの要件を満たす者が専任技術者になることができます。

  1. 定められた国家資格を持っている
  2. 定められた国家資格+資格取得後一定の実務経験がある
  3. 指定学科を卒業し、学歴に応じた実務経験がある
  4. 10年以上の実務経験がある

経営業務の管理責任者に次いで専任技術者もハードルが高いです。

実務経験の証明書類を揃えることができない場合の対処方法を解説します。

10年以上の実務経験はあるけど、証明書類がない時

10年以上の実務経験を証明するためには、経験を積んだ会社での専門工事に関する「請負契約書」、「注文書・請書」、「請求書+入金記録」等を用意する必要があります。

以前勤めていた会社で10年以上の実務経験があるものの、請負契約書、注文書・請書、請求書+入金記録といった証明書類のコピーを用意してもらうのは難しいかもしれません。

以前勤めていた会社が許可業者であれば、許可通知書で証明することができます。関係性によっては許可通知書のコピーをもらうことは難しいかもしれませんが、先ほどと同じように調査しましょう!

以前の会社で役員でもない限り「請負契約書」、「注文書・請書」、「請求書+入金記録」を用意するのはかなりハードルが高いですが、しかし、建設業を専門にしている行政書士であれば、さまざまな経験から糸口を見つけられるかもしれませんので、諦めずにまずは相談をしながら進めていくべきでしょう。

施工管理技士補の活用

施工管理技士補の制度を活用することで、実務経験を短縮できるのは非常に有効な方法です。特に、実務経験10年という要件が厳しいと感じる方にとって、施工管理技士補を取得することで、実務経験が3年または5年に短縮できる点は大きなメリットです。

▼ 施工管理技士補制度について

  1. 施工管理技士補制度創設(令和3年度)
    施工管理技士補の制度が創設されたことにより、従来の施工管理技士試験の学科試験が「第1次検定」、実技試験が「第2次検定」となり、試験合格後に「施工管理技士補」の称号が得られるようになりました。
  2. 受験資格の緩和(令和6年度)
    令和6年度からは、施工管理技士補の受験資格に学歴や実務経験の制限がなくなり、これまで受験資格がなかった学生や建設業の実務経験がない方も、第1次検定を受験できるようになりました。これにより、より多くの人が試験を受け、資格を得るチャンスが広がっています。
  3. 実務経験の短縮(3年または5年)
    施工管理技士補に合格すると、専任技術者として必要な実務経験が10年から3年または5年に短縮されます。このため、実務経験が不足している場合でも、施工管理技士補の資格を取得することで、専任技術者の要件を満たすための道が開けることになります。

▼ 実務経験を証明するための一歩として

施工管理技士補は、実務経験を積むための出発点となります。特に、建設業許可を取得したいと考える事業者にとっては、この資格を活用することで専任技術者の要件をクリアしやすくなるので、積極的に検討する価値があるでしょう。

資格取得のプロセスや準備が必要ですが、これをクリアすることで、建設業許可取得のステップが確実に前進します。

とび・土工工事業であれば登録土工基幹技能者の講習受講を狙う!

実務経験を証明できないとなると資格を取るしかないわけですが、施工管理技士の試験や技能検定試験はハードルが高く感じるかもしれません。

実はとび・土工工事業であれば、講習を受講することで専任技術者になる方法があります。

「登録土工基幹技能者講習」という技能講習を受ける(修了テストはあります)ことで専任技術者の資格を得ることができます。

この技能講習の受講資格は10年以上の実務経験と3年以上の職長経験(契約書、注文書等の証明書類は不要)と以下の1~13のうち2つ以上を修了しているか、14を修了しているかで足ります。

⑨~⑬あたりはすでに修了している方も多いのではないでしょうか。

<2つ以上を修了していることが条件>

  1. 地山の掘削作業主任者技能講習
  2. 土止め支保工作業主任者技能講習
  3. 型枠支保工の組立て等作業主任者技能講習
  4. 足場の組立て等作業主任者技能講習
  5. コンクリート破砕器作業主任者技能講習
  6. はい作業主任者技能講習
  7. 車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習
  8. 不整地運搬車運転技能講習
  9. 高所作業者運転技能講習
  10. フォークリフト運転技能講習
  11. 小型移動式クレーン運転技能講習
  12. 玉掛け技能講習
  13. ガス溶接技能講習

<1つの修了で大丈夫>

14.地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技能講

講習は2日間で計600分、修了テストは60分、年に2回開催されています。

②8年の実務経験ならある場合(実務経験の緩和措置)

許可を受けようとする業種と技術的な共通性がある業種での実務経験がある場合、許可を受ける業種に必要な実務経験年数が8年に緩和されます。
どのような場合に緩和されるかというと、申請業種について8年をこえる実務経験と、技術的な共通性がある業種での実務経験が合計して12年以上であれば、申請業種の実務経験は10年に満たなくても専任技術者となれます。

ただし、実務経験の緩和が認められる業種と、その業種と技術的な共通性があるとされる業種の組み合わせは決まっています。

(1)土木一式工事の経験と、次にあげる業種のいずれかの経験が併せて12年以上あり、そのうち次にあげる業種の経験が8年を超える場合

  • とび土工工事
  • しゅんせつ工事
  • 水道施設工事
  • 解体工事

例:土木一式工事の経験4年+とび土工工事の経験8年→とび土工工事の専任技術者になれる

(2)建築一式工事の経験と、次にあげる業種のいずれかの経験が併せて12年以上あり、そのうち次にあげる業種の経験が8年を超える場合

  • 大工工事
  • 屋根工事
  • 内装仕上工事
  • ガラス工事
  • 防水工事
  • 熱絶縁工事
  • 解体工事

例:建築一式工事の経験4年+内装仕上げ工事の経験8年→内装仕上げ工事の専任技術者になれる

(3)大工工事+内装仕上工事において、経験が併せて12年以上あり、どちらかの業種の経験が8年を超える場合

例:大工工事の経験4年+内容仕上工事の経験8年→内装仕上げ工事の専任技術者になれる

例:大工工事の経験8年+内容仕上工事の経験4年→大工工事の専任技術者になれる

(4)とび土工工事の経験と解体工事の経験が併せて12年以上あり、解体工事の経験が8年を超える場合

通常であれば実務経験が10年必要になりますが、これらに該当するときは実務経験が8年あればよいとされています。

経営業務の管理責任者も専任技術者も常勤性も求められます

「経営業務の管理責任者」も「専任技術者」も必ず営業所に常勤させる必要があります。

そして、その常勤性は原則、事業所名称に申請会社が記載された「健康保険証」にで証明します。しかし、75歳以上(後期高齢者医療制度)の方、事業所名所が印字されていない健康健康保険証をお持ちの方、マイナ保険証に移行後に入社した方は健康保険証では証明することができませんので、下記書類が必要になります。

▼健康保険&厚生年金で常勤性を証明する方法

  • 健康保険・厚生年金保険被保険者に関する標準報酬決定通知書
  • 健康保険・厚生年金保険被保険者に関する資格取得確認及び標準報酬決定通知書

▼住民税関係で常勤性を証明する方法

  • 住民税特別徴収税額通知書(徴収義務者用)
  • 住民税特別徴収切替届出※新規に認定する者に限り

▼法人役員の常勤性を証明する方法

  • 直近決算の法人税確定申告書役員報酬手当及び人件費等の内訳書)(年130万以上の役員報酬が確認できること)

なお、採用した直後に常勤性を証明するのは、下記3パターンしかないかなと思います。

  • 健康保険・厚生年金保険被保険者に関する資格取得確認及び標準報酬決定通知書
  • 住民税特別徴収切替届出

これらは手続きを行う中で、厳しくチェックされる項目なので注意しておきましょう。

要件③:財産要件をクリアする裏ワザ

建設業許可を取る上であと1つ、申請者からの相談が多いのが財産要件です。

500万円の財産要件を証明する方法は次の2つの基準です。

  1. 自己資本が500万円以上あること
  2. 500万円以上の残高証明書を用意できるか

よくある誤解として「資本金500万円=財産要件クリア」ではありません!

たとえば、資本金が500万円でも、赤字が続いていて利益剰余金がマイナスになっている場合は、自己資本が500万円を下回ってしまうことがあります。

また、資本金を500万円以上にしても、財産要件を必ずしもクリアできるというわけではありません。

①自己資本が500万円以上あること

自己資本とは、会社が自由に使える純粋な財産のことです。わかりやすく言えば、「財産から借金を引いた額」です。

決算報告書の「貸借対照表」にある「純資産の部」に記載された次のような項目の合計で判断されます。

  • 資本金
  • 資本剰余金
  • 利益剰余金(繰越利益など)

たとえば、資本金が100万円でも、利益剰余金が400万円以上あれば、自己資本合計が500万円を超えるので要件クリアとなります。

②500万円以上の残高証明書を用意できるか

自己資本が足りない場合は、銀行預金の残高証明書で証明する方法があります。

  • 残高証明書は、「指定日」に銀行口座に500万円以上の残高があることを示す書類。
  • 一時的な資金(例:売上の入金、銀行融資、役員からの借入)でもOK。
  • ただし、発行日から1か月以内のものしか使えません

したがって、「入金されるタイミング」や「融資実行のタイミング」から逆算して準備することが重要です。

神奈川県:建設業許可の申請先

神奈川県での建設業許可の申請先は、横浜駐在事務所・建設業審査担当になります。新規で許可を取得する場合は窓口か郵送で申請しなければなりません。

神奈川県 県土整備局 事業管理部 建設業課 横浜駐在事務所 建設業審査担当

神奈川県横浜市中区日本大通33番地 神奈川県住宅供給公社ビル5階

(電話)045-313-0722

また神奈川県では、令和5年から電子申請システムを利用することによる電子申請での受付も可能となっています。

神奈川県知事許可の場合=窓口申請or郵送申請

申請の方法は主に窓口申請か郵送申請です。どちらの場合でも担当の審査官が申請書の内容を一点ずつチェックし、要件を満たしているかどうかを厳密に審査します。

そして、郵送申請の場合は事前にの神奈川県証紙(申請手数料:9万円)を申請書に貼付けてから申請をしなければいけない。もし申請書に不備があり受付されなかった場合は、神奈川県証紙を長期間保管しておく必要もあります。

そのため、建設業許可申請になれている専門家以外は窓口申請を強くお勧めします。よくも悪くも必要書類の不足や、申請書の内容に不備があれば、一切受け付けてもらえません。無事に受付がされたら神奈川県証紙(申請手数料:9万円)を提出しましょう!
(※都庁相談コーナーで予備審査をパスしても、窓口審査がパスできない場合が多いので、注意が必要です。)

神奈川県知事許可の審査期間

神奈川県知事許可の場合、審査期間は約35日(土日祝を除く)になります。審査が完了したら、許可通知書が郵送にて営業所に届きます。

建設業許可に必要な書類一覧

建設業許可を行う場合、様々な申請書類を作成し、必要資料を集めなくてはいけません。

以下、3つに分けてみてみましょう。

  1. 建設業許可の申請書類
  2. 建設業許可に必要な添付書類
  3. 確認、裏付けが必要な資料

こちらに記載した必要書類は一般的なケースを元に作成しています。許可を取得する業種や、会社の状況によって変わってきますので、事前に行政書士等の専門家に相談されるのが安全です。
では、建設業許可の申請時に必要書類を確認してみましょう!

建設業許可の申請書類

申請するときは、申請書一式を作成し、行政の窓口へ持ち込む必要があります。許可を取得する業種や、会社の状況によって変わってきます。

建設業許可の申請書類様式番号
建設業許可書第1号
役員の一覧表 ※法人のみ別紙1
営業所一覧表別紙2(1)
直前3年の各事業年度における工事施工金額第3号
使用人数第4号
誓約書第6号
経営業務の管理責任者証明書第7号
健康保険等の加入状況第7号の3
専任技術者証明書第8号
実務経験証明書
※専任技術者を実務経験で申請する場合に必要
第9号
指導監督的実務経験証明書
※特定建設業で専任技術者を実務経験で申請する場合に必要
第10号
令第3条に規定する使用人の一覧表
※本社以外の営業所があり、その営業所に支店長など請負契約について一定の権限を有する人がいる場合に必要
第11号
許可申請者の調書
※本人・法人の役員全員分(監査役は除く)
第12号
令第3条に規定する使用人の調書
※本社以外の営業所があり、その営業所に支店長など請負契約について一定の権限を有する人がいる場合に必要
第13号
株主(出資者)調書 ※法人のみ第14号
財務諸表 ※直前1年分<法人の場合>
第15号・第16号・第17号・第17号の2
<個人の場合>
第18号・第19号
営業の沿革第20号
所属建設業者団体第20号の2
主要取引金融機関名第20号の3

建設業許可に必要な添付書類

許可申請書には、とても多くの書類を添付しなくてはなりません。ここでは法定書類等、添付資料のご説明をさせていただきます。取得できる場所も記載しておりますので、参考にしてみてください。

建設業許可に必要な添付書類取得できる場所
商業登記簿謄本又は履歴事項全部証明書
※直近3か月以内
法務局
納税証明書
法人:法人事業税 個人:個人事業税
県税事務所
法人:法人設立届
個人:個人事業開業届出書
※創業してから一度も決算期に到来しておらず、上記納税証明書が添付できない場合に必要
会社保管書類
残高証明書(500万円以上)
※財務諸表で自己資本が500万円未満の場合は必要
主要取引銀行
登記されていないことの証明書
※本人・役員・令3条に規定する使用人分が必要
法務局
身分証明書
※本人・役員・令3条に規定する使用人分が必要
本籍地を管轄する市区町村役所
定款(写) ※法人のみ上記納税証明書が添付できない場合に必要
会社保管書類

確認、裏付けが必要な資料

「経営業務の管理責任者」や「専任技術者」については、要件が設定されていますので、その要件を満たしていることが証明できる裏付け資料が必要です。 加えて、営業所の状況を確認するための資料を用意する必要もあります。

なお、確認・裏付け書類は、一般的な証明書類を記載しています。

確認、裏付けが必要な資料確認・証明書類の例
経営業務の管理責任者の「常勤性」①健康保険証
※事業所名の記載されているものに限る
②直近の住民税特別徴収税額通知書(原本)
③その他、常勤を証明できる書類
経営業務の管理責任者の「経験期間」法人:商業登記簿謄本又は履歴事項全部証明書 個人:所得税確定申告書の写し
経営業務の管理責任者の「建設業に係る経営業務を行っていたことの裏付け」許可通知書や工事請負契約書、注文書、請求書等(原本提示)
専任技術者の「常勤性」①健康保険証
※事業所名の記載されているものに限る
②直近の住民税特別徴収税額通知書(原本)
③その他、常勤を証明できる書類
専任技術者の「実務経験期間」
※実務経験期間で申請する場合のみ必要。
許可通知書や工事請負契約書、注文書、請求書等(原本提示)
専任技術者の「資格」(原本提示)
※資格で申請する場合のみ。
資格者証
令3条に規定する使用人の常勤の確認書類①健康保険証
※事業所名の記載されているものに限る
②直近の住民税特別徴収税額通知書(原本)
③その他、常勤を証明できる書類
営業所の確認書類営業所の写真
社会保険の加入書類健康保険・厚生年金・雇用保険の領収書等

行政書士に依頼するメリット:自分で申請するには書類の収集が難しい

建設業の許可申請で必要な書類については、必要となる書類が多岐にわたり、書類取得のための申請先も様々なのでとても手間が掛かります。

初めて申請する書類に関しては、申請の方法や申請先、申請に必要な添付書類や必要となる手数料をそれぞれ申請書類ごとに調べていく必要があります。

例えば、添付書類の一つである「身分証明書」については本籍地の各市区町村の戸籍課にて取得します。本籍地が不明であれば、本籍地の確認のために本籍地の記載のある住民票の取得をする必要があります。

さらに、本籍地が遠方のために郵送申請する場合は、郵送申請のための準備が必要となります。

また申請時点での作成期限が求められる書類もあるので、取得のタイミングも重要ですし、慣れない書類の収集は想像以上に時間と手間が掛かります。

専門性と実務経験が豊富な行政書士に依頼すれば、建設業許可の書類作成から取得までの期間が大幅に削減することができるので、結果的に自分で申請するより早く許可を取得することができます。

神奈川県で建設業許可を!この方法自社で使える?

建設業許可の要件をクリアするための裏ワザ的対処方法をいくつかご紹介しましたが、この方法はだれでも使えるわけではありません!

書類の準備や責任者の条件など注意すべき点もかなり多いです。この方法自社で使えるか気になった方へ、あなたがこの”裏ワザ”を使用できるか無料で診断いたします!

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