【建設業許可】廃棄物処理施設の破砕機設置工事は許可が必要です!

最近はSDGsなどのリサイクル促進がされており、産業廃棄物処理施設では効率的な破砕機の導入が増えています。

そのような状況で破砕機の設置工事する際に「500万円以上を超えてきそう」「発注者から建設業許可を取得するよう言われている」「元請業者から無許可業者には工事を発注しないと言われた」ということで建設業許可を取りたいけど、どうやったら許可が取れるのか・どんな要件を満たせばいいのかわからない事業者さんは多いのではないでしょうか。

このページでは廃棄物処理施設で破砕機設置工事を専門に行っている建設業者が、建設業許可を取る方法についてご説明していきたいと思います。

廃棄物処理施設で破砕機設置工事には許可が必要?

建設業法では建設工事を「2種類の一式工事」と「27種類の専門工事」に区分しています。しかし、破砕機設置工事という区分はありません。

では破砕機設置工事は建設業法上、どの区分の工事に該当するかというと、原則「機械器具設置工事業」になります。

機械器具設置工事業は広くすべての機械器具類の設置に関する工事が含まれますが工事内容によっては電気工事業、管工事業、電気通信工事業、消防施設工事業等と重複するものがあります。これらについては原則として電気工事等それぞれの専門の工事の方に区分します

例えば、建築物の中に設置する給排気機器設置工事は管工事業、自動ドア設置工事は建具工事業、立体駐車場新設工事は建築一式工事業など。

また、破砕機設置工事でもアンカー固定だけではとび土工工事業に分類されるため、請け負っている工事の範囲などをよく確かめなければ、無許可営業となってしまうので注意が必要です。

機械器具設置工事に該当するもの

機械器具設置工事に該当するものとして、具体的には以下のような工事が挙げられます。

  • プラント設備工事
  • 運搬機器設置工事(昇降機設置工事含む)
  • 内燃力発電設備工
  • 集塵機器設置工事
  • 給排気機器設置工事
  • 揚排水機器設置工事
  • ダム用仮設備工事
  • 遊技施設設置工事
  • 舞台装 置設置工事
  • サイロ設置工事
  • 立体駐車設備工事

「複合的な機械器具の設置」になるため、比較的規模の大きな工事であることがわかります。

建設業許可は人的要件が特に重要です!

建設業許可を取得するためにはさまざま要件をクリアする必要があり、特にハードルが高いのが人的要件である「経営業務の管理責任者」「専任技術者」です。

なかなかイメージするには難しい言葉だと思います。簡単に言うと「経営の責任者」「技術の責任者」と考えていただければと思います。

経営の責任者になれる方は?

まずは「経営の責任者:経営業務の管理責任者」の要件は次のいずれかに該当する方が必要です。

  1. 建設業に関して5年以上取締役として経験のある者
  2. 建設業に関して5年以上取締役に準ずる地位(建設部長等)にあり、経営業務のある者
  3. 建設業に関して、6年以上取締役に準ずる地位があるものとして、経営業務を補佐する業務に従事した経験がある者
  4. 建設業に関して2年以上役員等として経験を有し、かつ5年以上役員又は役員に次ぐ職制上の地位にあるもの。さらに5年以上財務管理、労務管理、業務運営管理の従事した者を補佐としておくこと。
  5. 5年以上役員としての経験を有し、かつ建設業に関して2年以上の経験があるもので更に、5年以上の財務管理、労務管理、業務運営管理に従事した補佐役をおくこと。

技術の責任者になれる方は?

続いて「技術の責任者:専任技術者」の要件は次のいずれかに該当する方が必要です。

専任技術者の要件は一般建設業許可と特定建設業許可で異なりますが、一般建設業の場合は常勤している従業員のうちつぎの4つのいづれかの要件を満たす必要があります。

  1. 定められた国家資格を持っている
  2. 定められた国家資格+資格取得後一定の実務経験がある
  3. 指定学科を卒業し、学歴に応じた実務経験がある
  4. 10年以上の実務経験がある

ここで注意点!

許可を取得する業種によって、技術の責任者の要件が変わります!

このページでは破砕機設置工事(機械器具設置工事業)についてのみ紹介していきます。

▼1.定められた国家資格を持っている

  • 技術士

▼2.定められた国家資格+資格取得後一定の実務経験がある

<資格取得後、機械器具設置工事に関する3年以上の実務経験があるもの>

  • 一級建築施工管理技士
  • 一級建築施工管理技士補
  • 一級電気工事施工管理技士
  • 一級電気工事施工管理技士補
  • 一級管工事施工管理技士
  • 一級管工事施工管理技士補

<資格取得後、機械器具設置工事に関する5年以上の実務経験があるもの>

  • 二級建築施工管理技士(種別:建築)
  • 二級建築施工管理技士(種別:躯体)
  • 二級建築施工管理技士(種別:仕上げ)
  • 二級建築施工管理技士補
  • 二級建築施工管理技士
  • 二級建築施工管理技士補
  • 二級電気工事施工管理技士
  • 二級電気工事施工管理技士補
  • 二級管工事施工管理技士
  • 二級管工事施工管理技士補

▼3.指定学科を卒業し、学歴に応じた実務経験がある

大学にて建築学、電気工学、機械工学に関する学科を卒業し、機械器具設置工事に関する3年以上(高校の場合は5年以上)の実務経験がある。

▼4.10年以上の実務経験がある

機械器具設置工事に関する10年以上の実務経験がある。

実務経験を証明する方法

実務経験を証明するケースについてよく相談をうけるのはこの2つのパターンに分かれます。

  1. 機械器具設置工事業の建設業許可のある業者で実務経験を積んだ場合
  2. 機械器具設置工事業の建設業許可のない業者で実務経験を積んだ場合

①機械器具設置工事業の建設業許可のある業者で実務経験を積んだ場合

許可がある業者での経験の場合は、基本的には、許可通知書を用意するだけで証明できます。

しかし、機械器具設置工事業の建設業許可を取得している他社で実務経験を有しているものの、協力を得ることができないということはよくあります。

建設業許可の場合は、まずはその会社がどこの都道府県で許可を取得していたかを確認しましょう。東京都や神奈川県の場合は、行政に「会社名」「営業所の住所」「当時の代表取締役」を伝えるだけで、いつからいつまで許可を取得していたか教えてくれる場合があります。また大阪の場合は行政文書の開示請求をすることで許可状況が記載された文書(黒台帳と呼ばれています)を手に入れることができます。

②機械器具設置工事業の建設業許可のない業者で実務経験を積んだ場合

建設業許可を取得していない会社での経験の場合は、ハードルがかなり高くなります。

まず、機械器具設置工事業に関する実務経験を証明するためには、その会社での機械器具設置工事業に関する請負契約書注文書+請書請求書+入金記録といった証明書類が必要になります。

また、それが本当に機械器具設置工事業に該当するかの機械仕様書や工程表、完了後の写真等も必要になります。

前職の経験を証明したい場合は、当時の会社に協力を依頼することしかできないので、かなりハードルは高くなりますが、当時の取引先と関係性が続いているのであれば、そこからクリアの糸口を見つけていくことも方法です。

諦めずにまずは行政書士等の専門家に相談をしながら進めていくべきでしょう。

それぞれの違い

「経営の責任者:経営業務の管理責任者」と「技術の責任者:専任技術者」の違いは、「経営業務の管理責任者」は上記に記載したある一定の経営経験があれば、建設業許可の全ての業種の「経営管理の管理責任者」になることができますが、

「専任技術者」は業種ごとに実務経験や資格、学歴が定められており、複数業種の専任技術者になるためにはそれぞれ業種ごとに定められた条件をクリアする必要があるのです。

各責任者の選任する場合の注意する点

「経営の責任者」も「技術の責任者」も選任する場合に、下記の項目に注意する必要があります。

必ず常勤であること
・社会保険に加入しておくこと(雇用保険・健康保険・厚生年金全て)
・他の会社で、専任技術者として登録していないこと(同一企業でないと兼任は認められません)
・資格を持っている証拠として“合格証”が手元にあるか

これらは手続きを行う中で、厳しくチェックされる項目なので注意しておきましょう。

建設業許可を取得するためのまとめ

建設業の業種については、かなり複雑に分けられています。その中でも機械器具設置工事業はかなりハードルが高く、工事内容も限定されるので破砕機設置工事を請け負っているからと言って機械器具設置工事と断定せず、一度行政庁や専門家へご相談いただくのがよいかと思います。

また、建設業許可を取得するためには、さまざまな要件を満たす必要があります。基本的な許認可であれば、有資格者がいれば取得できることも多いなか、建設業許可はかなりハードルの高い許可といえます。

なお、建設業許可は営業所を構えている都道府県に申請をすることになりますが、各都道府県によって審査基準が大きく変わります。東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県で建設業許可の取り方を裏ワザも含めてまとめているので、ぜひご確認ください。

手続きに不安があり代行してほしい方は、行政書士など専門家への相談をおすすめします。適切なサポートを受けられ、よりスムーズに手続きを進められるでしょう。

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