電気工事と電気通信工事の違いとは?必要な資格と仕事内容を徹底解説!

電気工事が建設業法的に2種類に分かれていることをご存じでしょうか?

建設業許可の29業種の中には、「電気工事業」と「電気通信工事業」という、名前が似ていて混同されがちな2つの業種があります。

この2つは扱える工事の内容や必要な資格が異なり、誤って理解していると、許可の取り方を間違えてしまうリスクがあります。

そこで今回は、「電気工事業」と「電気通信工事業」の違いや、それぞれに必要な資格、そして許可申請にあたって注意すべきポイントをわかりやすく解説します。

ただ、現場などで忙しい方も多いと思いますので、読む前に「どの業種の許可が必要?」「うちは建設業許可を取れるのかな?」と思った方は、まずは一度お電話ください!5分ほどで、許可取得の可能性を簡単に診断させていただきます。

電気通信工事とは

電気通信工事とは、有線・無線の通信設備やデータ通信設備、放送設備などを設置する工事のことを指し、建設業許可の業種では「電気通信工事業」に分類されます。
いわゆる「弱電工事」とも呼ばれ、電気工事と扱う分野や工事の性質が異なります。

この区分に該当する工事の例としては・・・

  • 有線電気通信設備工事
  • 無線電気通信設備工事
  • データ通信設備工事
  • 情報処理・収集・表示設備工事
  • 放送機械設備工事
  • TV電波障害防除設備工事

これらの設備を新たに設置する工事のほか、既に設置されている電気通信設備の改修・修繕・補修も含まれます。※「保守業務」は建設業法上の電気通信工事には該当しません。

身近な電気通信工事の例を詳しくご紹介します。

①LAN工事

家庭や社内でネットワークが使えるように外部からインターネット回線を引き込み、LANケーブルの設置やパソコンなど機器への接続を行う工事です。この工事が終われば、インターネットの使用が可能です。

ただし、LAN工事は、ただ設置すればいいというわけではありません。HUBは設置したら終わりですが、LANケーブルは機器間の空間にどう配線するかを設計する必要があります。実はケーブルの配線は意外と難易度が高いものです。

②防犯カメラ設置工事

カメラ設置位置の選定・取り付け、カメラ、モニター等の機器からコントローラー(制御装置)までの屋外・屋内配線、通信線の接続などが主な作業内容です。
防犯カメラはその特性上、導入する時にこそ知識や経験が求められます。

③電話工事

オフィスに欠かせない通信手段である電話のための工事には2つの工程があります。

  • 電話線を屋外から屋内へ引き込む工事
  • 電話線を電話機まで配線する工事

引き込み工事では高所作業車を使い、電柱から建物内へと電話線を引き込みます。

屋内の工事は主に3つの種類に分けられて、新しいオフィスでレイアウトに合わせて電話の設置をする以外に、すでに運用中のオフィスの電話の移動や増設が考えられます。また移動や増設を繰り返したことでわかりにくくなった配線を整理することも仕事です。

一般的にオフィスでは複数の電話を運用できるような配線が必要な上、近年は電話機能を持った複合機を使用している例も多く、電話工事単体ではなくインターネット回線などいくつかの工事と合わせて行った方が作業効率が良いこともあります。

④光ケーブル敷設工事

光ファイバーケーブルを使った光回線による通信は、一般的な従来の回線と比べ通信が安定しており速度も速いです。

光回線のインターネットを使うには、外部から光ファイバーケーブルを引き込む工事が必要です。

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電気通信工事と電気工事の違い

「電気通信工事」と「電気工事」は、建設業許可の業種として別々に分類されており、必要な資格や取り扱える工事の内容にも違いがあります。名前が似ていることから混同されがちですが、両者には明確な区分があります。

電気工事とは?—いわゆる「強電工事」

電気工事は、発電所や変電所から供給される電気を、建物や施設で安全に利用できるようにする工事です。高圧・低圧の電力を扱うため、「強電工事」とも呼ばれます。

電気工事の代表例

  • 発電設備の設置・整備
  • 変電設備の構築
  • 送配電設備(電柱や鉄塔など)の設置・保守
  • 建物内の照明・コンセントの増設や移設
  • 鉄道関連の電気工事(鉄道電気工事)

電気工事では、大きな電力を扱うため安全性と専門知識が重視されます。

電気通信工事との混同に注意

電気通信工事は「弱電工事」とも呼ばれ、情報の送受信を目的とした通信設備の工事を指します。例えば以下のような工事は、電気工事のようなイメージがあっても、実際には電気通信工事に該当します

  • インターフォンの設置
  • テレビアンテナの設置
  • 防犯カメラの設置・配線

これらの工事は情報通信に関するものであり、電力の供給そのものを目的とした電気工事とは異なります。

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建設業許可は人的要件が特に重要です!

建設業許可を取得するためにはさまざま要件をクリアする必要があり、特にハードルが高いのが人的要件である「経営業務の管理責任者」「専任技術者」です。

なかなかイメージするには難しい言葉だと思います。簡単に言うと「経営の責任者」「技術の責任者」と考えていただければと思います。

経営の責任者になれる方は?

建設業許可を取得する際に最もつまずきやすいのが、「経営の責任者:経営業務の管理責任者」の要件です。
この要件は、常勤している取締役のうち、以下のいずれかを満たす必要があります。

  1. 建設業に関して5年以上取締役として経験のある者(←メインで使うのはこれです)
  2. 建設業に関して5年以上取締役に準ずる地位(例:建設部長)にあり、経営業務のある者
  3. 建設業に関して、6年以上取締役に準ずる地位があるものとして、経営業務を補佐する業務に従事した経験がある者
  4. 建設業に関して2年以上役員等として経験を有し、かつ5年以上役員又は役員に次ぐ職制上の地位にあるもの。さらに5年以上財務管理、労務管理、業務運営管理の従事した者を補佐としておくこと。
  5. 5年以上役員としての経験を有し、かつ建設業に関して2年以上の経験があるもので更に、5年以上の財務管理、労務管理、業務運営管理に従事した補佐役をおくこと。

中小企業や個人経営に近い会社の場合は、「5年以上取締役としての経験(パターン1)」での証明が現実的です。

(例)
・建設会社の取締役として5年以上の経験がある。
・個人事業主として5年以上の経験がある。
・建設業許可を取得している建設業者の令3条の使用人(支店長)として5年以上の経験がある。

お困りの際はご相談ください

経営業務の管理責任者の要件証明に関しては判断が難しいこともあります。
「自分が要件を満たしているかわからない」「証明書類が揃えられるか不安」など、お困りの方はお気軽に無料相談をご活用ください。

専任技術者になれる方は?

続いて「技術の責任者:専任技術者」の要件は次のいずれかに該当する方が必要です。

2つ目の要件は、営業所(本店等)に常勤する専任技術者がいることです。経営業務の管理責任者に次いで専任技術者もハードルが高いです。この専任技術者の要件は一般建設業許可と特定建設業許可で異なります。

<一般建設業許可の専任技術者の要件>

以下のいずれかの要件を満たす者が専任技術者になることができます。

  1. 定められた国家資格を持っている
  2. 定められた国家資格+資格取得後一定の実務経験がある
  3. 指定学科を卒業し、学歴に応じた実務経験がある
  4. 10年以上の実務経験がある

⚠ 要注意ポイント!

実はこの「専任技術者の要件は、取得しようとしている業種ごとに異なるため、注意が必要です。

たとえばデータ通信設備工事でも、「電気通信工事業」として許可を取る場合と、その他の業種で許可を取る場合では、求められる資格や経験が違ってきます。

以下、それぞれの業種ごとに解説していきます。

定められた国家資格を持っている

▼電気通信工事業の場合

  • 一級電気通信工事施工管理技士
  • 二級電気通信工事施工管理技士
  • 技術士
  • 登録計装基幹技能者

▼電気工事業の場合

  • 一級電気工事施工管理技士
  • 二級電気工事施工管理技士
  • 第一種電気工事士
  • 技術士
  • 登録電気工事基幹技能者
  • 登録送電線工事基幹技能者
  • 登録計装基幹技能者

定められた国家資格+資格取得後一定の実務経験がある

▼電気通信工事業の場合

<資格取得後、電気通信工事に関する3年以上の実務経験があるもの>

  • 工事担任者(電気通信事業法に基づく資格)

<資格取得後、電気通信工事に関する5年以上の実務経験があるもの>

  • 電気通信主任技術者(電気通信事業法に基づく資格)

▼電気工事業の場合

<資格取得後、電気工事に関する3年以上の実務経験があるもの>

  • 第二種電気工事士

<資格取得後、電気工事に関する5年以上の実務経験があるもの>

  • 電気主任技術者(一種、二種、三種)

指定学科を卒業し、学歴に応じた実務経験がある

▼電気通信工事業の場合

大学で電気工学、電気通信工学に関する学科→電気通信工事に関する3年以上(高校の場合は5年以上)の実務経験

▼電気工事業の場合

該当なし

10年以上の実務経験がある

▼電気通信工事業の場合

電気通信工事に関する10年以上の実務経験がある。

▼電気工事業の場合

該当なし

【電気工事業は対象外】資格がなくても大丈夫!10年以上の実務経験の証明方法

実務経験の証明方法は、現在所属している会社(自分の会社や個人事業主)での経験を使用する場合前職での経験を使用する場合によって変わります。

現在所属している会社(自社や事業主・元事業主)

建設業許可がない現在所属している会社または個人事業主(元事業主)として10年以上の実務経験を積んできた場合、工事を行っていた証明をしなければいけません。その証明方法は経営業務の管理責任者と同じように工事に関する請求書+入金記録といった書類の提出です。

都道府県(元)個人事業主の経験法人役員・従業員の経験
東京都①確定申告書(受付印のあるもの)
②請求書+入金記録
(証明期間分:3か月ごとに1件
①社会保険の加入記録
②請求書+入金記録
(証明期間分:3か月ごとに1件
神奈川県請求書+入金記録
(証明期間分:1年ごとに1件
or
確定申告書(業種欄に工事がわかるものに限る)(必要年数分)
①登記事項証明書(役員のみ)or
社会保険の加入記録
②請求書+入金記録
(証明期間分:1年ごとに1件
or
確定申告書(業種欄に工事がわかるものに限る)(必要年数分)
埼玉県請求書+入金記録
(証明期間分:3か月ごとに1件
①登記事項証明書(役員のみ)or
社会保険の加入記録

②請求書+入金記録
(証明期間分:3か月ごとに1件
千葉県①確定申告書(受付印のあるもの)or
市町村発行の課税証明書
※確定申告書が紛失、かつ、課税証明書が発行期間を過過ぎてしまった場合、②を1年ごとに2件
②請求書+入金記録
(証明期間分:1年ごとに1件
①社会保険の加入記録
②請求書+入金記録
(証明期間分:1年ごとに1件

工事実績確認の請求書には該当業種の工事が明確にわかる必要があります。

例えば、内装仕上工事業を取得したい場合は請求書内に「内装工事」や「クロス張替え工事」など。「リニューアル工事」「リフォーム工事」など工事内容があいまいだと工事仕様書・見積書・材料一覧表などを求められるので注意しましょう。

手元にある請求書で10年間の実務経験が認められるか不安な方・そもそも請求書が手元にない方も多いと思います。様々な方法で10年間の実務経験を証明してきましたので、ウィルホープ行政書士事務所の無料相談を今すぐご活用ください!

建設業許可のある前職で実務経験を積んだ場合

許可がある前職で実務経験がある場合、基本的には許可通知書を提出することで証明することができます。経営業務の管理責任者と同様に、まずは前職がどこで建設業許可を持っていたか確認しましょう!

ウィルホープ行政書士事務所では、「前職からの協力を得られない方」が非常に多いので、連絡を取ることなくクリアする様々な方法を把握しております!

建設業許可のない前職で実務経験を積んだ場合

許可のない前職での経験の場合は、前職の協力が不可欠なため、証明ハードルは非常に高いです。当時の会計資料などを入手する必要もあるので、正直諦めるほうが良いことが多いです。

ウィルホープ行政書士事務所の業界最安のサポート料金

建設業許可を取得するには、実務経験の証明が必要です。この証明に必要な実績資料は精査が求められ、行政庁が納得できる内容を準備する必要があります。確実に許可を取得できるように、また、建設業者様に余計なコストがかからないよう、料金は段階制で設定しております。

内容建設業許可新規申請
報酬額(税抜)¥130,000~¥200,000
登録免許税¥90,000

※「経営業務の管理責任者」や「専任技術者」の過去の経験や資格の有無によって金額が変動します。

経営業務の管理責任者に就任する人が、建設業許可が「ある」会社で取締役を5年以上経験があり、 専任技術者に就任する人が国家資格者のケース。

経営業務の管理責任者に就任する人が、建設業許可が「ない」会社で取締役を5年以上経験があり、 専任技術者に就任する人が国家資格者のケース。

経営業務の管理責任者に就任する人が、建設業許可が「ない」会社で取締役を5年以上経験があり、 専任技術者に就任する人が「10年以上の実務経験」を証明しなければならないケース。

建設業許可を取得したい方へ ― 必ず確認すべきポイントとは?

「データ通信設備工事をしているから電気通信工事業だろう」と自己判断して許可を申請すると、思わぬ不許可や修正指導を受けるケースがあります。建設業の業種区分は非常に細かく複雑で、素材や施工方法によって必要な許可業種が異なるため、判断を誤ると大きなロスに繋がりかねません

また、建設業許可は誰でも簡単に取れるものではありません。
「経営業務の管理責任者」や「専任技術者」といった厳しい人的要件をはじめ、財産的要件・欠格要件など、細かい審査項目を一つずつ丁寧にクリアしていく必要があります

「今すぐ許可を取らないと大きな案件が受注できない」
「元請から『無許可では発注できない』と言われて困っている」
こんなお悩みを抱えている事業者様は、行動を後回しにするとチャンスを失う可能性も

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