【飲食店営業許可】食品衛生責任者の資格とは?資格の取り方とメリットを解説

食品衛生責任者は、飲食店の営業や開業に必要な資格の一つであり、これから飲食店をオープンしようと思っている店長や食品業界に就職する予定なら取っておきたい資格です。

食品衛生責任者の資格を取得するには、栄養士や調理師免許などの特定の資格を取得する方法と、食品衛生責任者養成講習会を受ける方法があります。

養成講習会は基本的に誰でも受けられ、1日で講習が終わるので、食品衛生責任者は非常に取りやすい資格だといえるでしょう。

このページでは、食品衛生責任者の資格の取り方についてご紹介します。

食品衛生責任者は衛生管理のリーダー

食品衛生責任者は食品衛生法に定められ、各都道府県の保健所が管轄する公的な資格です。

その主な役割は、食品を扱う施設で衛生管理を担うリーダーとして現場を管理することとされ、食品衛生責任者の選任は、飲食店営業許可の要件の1つでもあります。

なお、同一人物が複数店舗の食品衛生責任者を兼任することは認められていませんので、例えば週2日はカフェの食品衛生責任者になり、残りの日は焼き肉屋で食品衛生責任者なるというのはNGです。

食品衛生責任者は飲食店などの開業・営業になくてはならない職種であるため、非常に需要の高い資格だといえるでしょう。

食品衛生責任者の役割

食品衛生責任者の役割は、大きく分けて2つあります。

①食品衛生の管理と改善
食品を取り扱うお店において、食品の衛生管理はとても重要です。

食品衛生責任者は、施設や食材を衛生的な状態に保つため、施設や手洗い場の清掃、原材料の品質チェックなどを実施します。

食中毒を引き起こしてしまっては、今後の営業活動に大きく支障をきたすため食中毒の予防にも努めます。

②従業員への指導や健康管理
従業員全員が衛生管理の重要性を理解し、手洗い・消毒の徹底や、調理器具や食材を正しく取り扱えるように管理することも重要な仕事です。

これらの役割を果たすために、食品衛生責任者は実務講習会に参加するなどして、常に食品衛生に関する最新の知識を身につけておく必要があります。

食品衛生責任者と食品衛生管理者の違い

食品衛生責任者と似た名称の資格に、食品衛生管理者というものがあります。どちらも食品衛生に関する資格ですが、資格を管轄している機関が異なります。そのため資格の申込先や各種届出の提出先も異なるので、資格取得を検討する際は注意しましょう。


▼選任が必要な場面も異なります。

  • 食品衛生責任者:基本的にすべての食品を取り扱う施設に選任
  • 食品衛生管理者:特に衛生上の考慮が必要な食品や添加物の製造・加工施設にのみ選任

▼食品衛生管理者を選任しなければいけない施設例

  • 全粉乳
  • 加糖粉乳
  • 調製粉乳
  • 食肉製品(ハム、ソーセージなど)
  • 添加物など

食品衛生責任者の資格を取る方法!

食品衛生責任者になるには、2つの方法があります。

  • 栄養士・調理師などの資格を取得する
  • 資格者養成講習会を受講する

それぞれ見ていきましょう。

栄養士・調理師などの資格を取得する

栄養士や調理師をはじめとした、以下の資格を取得している人は食品衛生責任者の資格を取得できます。

  • 調理師
  • 製菓衛生士
  • 栄養士
  • 船舶料理士
  • と畜場法に規定する衛生管理責任者
  • と畜場法に規定する作業衛生責任者
  • 食鳥処理衛生管理者
  • 食品衛生管理者または食品衛生監視員の資格要件を満たす者

該当の資格を持っている人は、食品衛生協会などへ申請して食品衛生責任者手帳を発行してもらいましょう。

手帳が発行された段階で、食品衛生責任者資格が取得できます。

食品衛生責任者手帳の取得方法

東京都の場合は(一社)東京都食品衛生協会で食品衛生者手帳を取得することができます。

▼食品衛生管理者手帳の交付申請に必要な書類

  • 本人を確認できる証明書(運転免許証、マイナンバーカード等)
  • 該当の資格を有している証明書(資格書や免許証など)

窓口でも郵送でもどちらでも大丈夫ですが、交付手数料として2,000円支払う必要があるため、郵送の場合は現金書留で納入する必要があります。

(1) 東京都食品衛生協会の本部で手帳の交付申請をした場合
⇒即日、食品衛生責任者手帳が発行されます。

(2) 東京都食品衛生協会の各総合事務所で手帳の交付申請をした場合
⇒後日、食品衛生責任者手帳が郵送で発行されます。

(3) 郵送にて手帳御交付申請をした
⇒交付手数料2,000円を現金書留で納付し、後日、食品衛生責任者手帳が郵送で発行されます。

資格者養成講習会を受講する

栄養士や調理師などの資格を持っていない人は、資格者養成講習会を受講することで、食品衛生責任者の資格を取得できます。

東京都の場合は(一社)東京都食品衛生協会が開催する講習会で、食品衛生学、食品衛生法、公衆衛生学の計3科目の学習と確認試験が行われます。

食品衛生学(2.5時間)

主要な食中毒、健康被害および事故ならびにその原因
食中毒等の発生を防止するための基本的な対応 など

食品衛生法(3時間)

食品衛生法の全体像、自主的な衛生管理に関すること
自主回収報告制度に関すること、営業規制に関すること など

公衆衛生学(0.5時間)

環境衛生、労働衛生 など

資格取得には確認試験の合格が必要ですが、この試験は講習をしっかりと聞いてさえいれば容易に解ける内容で、資格の付与率はほぼ100%となっています。安心して講習に臨みましょう。

資格者養成講習会受講の流れ

資格者養成講習会は、管轄の保健所もしくは食品衛生協会によって実施され、地域によって日程や受講の流れ、受講料は異なりますが、一般社団法人東京都食品衛生協会が開催している、資格者養成講習会の受講の流れを紹介します。

受講申込

資格者養成講習会の受講申込書をホームページからダウンロードし、必要事項記入のうえ、一般社団法人東京都食品衛生協会に郵送(受講日と受講会場は第3希望まで記入可能)。

申込受付

申込書の先着順で受付。協会より開催日時や会場名が記載された受付票が送付される。

③講座受講

受付:9:30まで(遅刻はキャンセル扱い)
講座:9:45~16:30(テスト含む)
※12:45~13:30は休憩時間
※受講料12,000円(教材費含む)は受講当日に納めます。

なお、東京都内の食品関連施設に勤務しているか、都内在住の方はe-ラーニング型養成講習会の受講も可能です。

受講終了証(食品衛生責任者手帳)の交付

講習の全課程を修了した方には、受講終了証(食品衛生責任者手帳)が交付されます。

まとめ

今回は飲食店営業許可申請に必ず選任が必要な食品衛生責任者の資格ついて紹介しました。

飲食店をオープンするためには、食品衛生責任者の資格以外でも施設基準など様々な条件をクリアする必要があります。

また、この営業許可申請とは別に、必要に応じて警察・消防への各種届出も行う場合もあります。

手続きに不安があり代行してほしい方は、行政書士など専門家への相談をおすすめします。適切なサポートを受けられ、よりスムーズに手続きを進められるでしょう

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