
2019年より電気通信工事施工管理技士が新設されたことにより、電気通信工事業の許可を取得しやすくなりました!
今までは、電気通信工事業の許可を取得するためには、技術士と言われる難易度のかなり高い資格を取得するか、10年以上の実務経験を積んでそれを証明するかでした。
このページでは、弊社代表が実際に電気通信工事施工管理技士の資格で電気通信工事業の建設業許可を取得した方法などご紹介させていただきます。
新設資格を取得して電気通信工事の建設業許可を!
まずは、最初の相談は2018年ごろでした。会社設立して5年ほど電柱工事(電気通信工事)を行っていたが、専任技術者要件を満たすための10年間の実務経験の証明は難しかったです。そのため、建設業許可を取得するためには、専任技術者要件を満たす方を採用するか、残り5年間自社で経験を積むか、もしくは2019年に新設される電気通信工事施工管理技士に合格するか。という提案をいたしました。
比較的仕事が落ち着いてきたということもあり、試験合格を目指すことになりました。その結果、1年後に無事に合格し建設業許可取得に動き出しました!
<許可取得概要>
営業所所在地:神奈川県
業種:東京都知事一般建設業・電気通信工事
<相談内容>
Q:電柱工事を行っているが、建設業許可が29業種に分かれておりどの業種の許可を取得すればいいのかわからない。
→電柱工事といっても、新たな電柱を設置するのではなく、電柱に光ケーブルや電話回線などの配線、情報通信機器の設置などの工事でしたので、電気通信工事と判断。
Q:5年以上の経営経験が必要と聞いたけど、注文書や請求書が必要なのか?注文書は無いし、請求書はすべてお客様へ提出しているので手元にない。多分、税理士が保管しているはずだが、依頼するのがめんどくさい。
→通常は建設業許可のない会社での経営業務の管理責任者の要件を証明するためには、注文書や請求書が必要ですが、神奈川県の場合は無くても大丈夫なケースあります。
Q:固定電話番号がないけど、大丈夫か?
→原則、固定電話番号は必要ですが、神奈川県では携帯番号でもよいとされています(R1時点)。令和7年現在では、千葉県・東京都も携帯電話番号でもOKとされています。
ここで、建設業許可を取得するための大きな3つの要件を確認しましょう。
- 経営業務に関わる方の中に、経営業務管理責任者を置く必要がある
- 許可を受けたい業種の専任技術者を持った方がいる
- 500万円以上の財産要件を満たしている
それぞれの要件をクリアした方法をご紹介していきます!
要件①:経営業務の管理責任者の要件をクリアする方法

経営業務の管理責任者の要件は常勤している取締役のうち、つぎのいづれかの要件をクリアする必要があります。
- 建設業に関して5年以上取締役として経験のある者
- 建設業に関して5年以上取締役に準ずる地位(建設部長等)にあり、経営業務のある者
- 建設業に関して、6年以上取締役に準ずる地位があるものとして、経営業務を補佐する業務に従事した経験がある者
- 建設業に関して2年以上役員等として経験を有し、かつ5年以上役員又は役員に次ぐ職制上の地位にあるもの。さらに5年以上財務管理、労務管理、業務運営管理の従事した者を補佐としておくこと。
- 5年以上役員としての経験を有し、かつ建設業に関して2年以上の経験があるもので更に、5年以上の財務管理、労務管理、業務運営管理に従事した補佐役をおくこと。
建設業許可において経営業務の管理責任者でつまずくケースが一番多いです。5年以上の経営経験(役員経験)というのは、かなり高いハードルだからです。
今回の相談のケースでは親族の会社で5年以上取締役になっていたので、「1.建設業に関して5年以上取締役として経験のある者」がクリアしていました。
建設業に関して5年以上取締役として経験のある者の証明方法
今回建設業を取得しようと思っているので、建設業許可がない会社で取締役経験が5年以上営んできた場合、建設業を行っていた証明をしなければいけません。その証明方法は建設業に関する請負契約書、注文書+請書、請求書+入金記録といった書類の提出です。
▼必要書類の一例
証明書類 | |
法人役員の経験 | ①登記事項証明書 + ②工事請負契約書、注文書+請書、請求書+入金記録 (証明期間分:1年ごとに1件) or 確定申告書(業種欄に建設業とわかるものに限る) (必要年数分) (取締役期間中のもの) |
まず、取締役経験は履歴事項全部証明書と閉鎖事項全部証明書に登記されているのですぐにクリアできました。
その次に、建設業を営んでいた経験の証明としては、神奈川県では一番スムーズな方法は確定申告書の業種欄に建設業とわかる記載があればその年は建設業を営んでいたと証明することができます。
一都三県で比較すると、この確定申告書の業種欄で証明できるのは神奈川県のみです。
これで、まずは、経営業務の管理責任者の要件はクリアです。
要件②:専任技術者の要件をクリアする方法

2つ目の要件である専任技術者は営業所(本店等)に常勤する技術者のうち、つぎのいづれかの要件をクリアする必要があります。
<一般建設業許可の専任技術者の要件>
- 定められた国家資格を持っている
- 定められた国家資格+資格取得後一定の実務経験がある
- 指定学科を卒業し、学歴に応じた実務経験がある
- 10年以上の実務経験がある
経営業務の管理責任者に次いで専任技術者もハードルが高いです。
今回は1年かけて、電気通信工事施工管理技士を取得できましたので、「1.定められた国家資格を持っている」に該当し、それだけで、専任技術者の要件もクリアすることができました!
最後に財産要件を確認していきましょう。
要件③:財産要件をクリアする方法

建設業許可を取る上であと1つ、申請者からの相談が多いのが財産要件です。
500万円の財産要件を証明する方法は次の2つの基準です。
- 自己資本が500万円以上あること
- 500万円以上の残高証明書を用意できるか
資本金を500万円以上しなければ財産要件を満たすことができないと思われている方が多いですが、資本金500万円=財産要件クリアではありません。
また、資本金を500万円以上にしても、財産要件を必ずしもクリアできるというわけではありません。
①自己資本が500万円以上あることを証明
自己資本とは、簡単にいうと財産から借金を差し引きした金額(返済義務のない資金)のことです。
具体的には、直前期の決算報告書内の貸借対照表のうち、「純資産の部」の金額をいいます。資本金や資本剰余金、利益剰余金や繰越利益剰余金といった項目が並んでいると思いますが、これらの合計額が自己資本ということになります。
したがって、資本金が100万しかなくても、利益剰余金(今までの利益金)が400万円以上あれば、自己資本合計が500万以上となり、財産要件はクリアできるというわけです!
この会社は自己資本が決算報告書で500万円以上あることが証明できたので、特別追加書類なくクリアできました。
初回相談から様々な資料をご準備いただき、無事に建設業許可を取得することができました!
資格合格し、合格証が届き次第、二日後には申請を行いました。
建設業許可を勝ち取る方法:まとめ
建設業許可を取得するためには、さまざまな要件を満たす必要があります。基本的な許認可であれば、有資格者がいれば取得できることも多いなか、建設業許可はかなりハードルの高い許可といえます。
なお、建設業許可は営業所を構えている都道府県に申請をすることになりますが、各都道府県によって審査基準が大きく変わります。神奈川県で建設業許可の取り方をまとめているので、ぜひご確認ください。
手続きに不安があり代行してほしい方は、行政書士など専門家への相談をおすすめします。適切なサポートを受けられ、よりスムーズに手続きを進められるでしょう。