
建設業許可を取得したいけど、施工管理技士などの資格がないから許可をとれないと思っている方も多いのではないでしょうか?
実は、特別な資格がなくても、許可を受けようとする建設業種を10年以上の実務経験を証明できれば建設業許可を取得できる可能性があります!
このページでは、弊社代表が実際に特別な資格がなくても、10年間の実務経験を証明して建設業許可を取得した方法などご紹介させていただきます。
「資格なし・学科なし」でも内装仕上工事の建設業許可を!
まずは、10年実務で建設業許可を取得した時の相談内容等を紹介していきます!
<許可取得概要>
営業所所在地:東京都
業種:東京都知事一般建設業・内装仕上工事
<経営業務の管理責任者:候補者>
代表取締役(就任6年)
<専任技術者:候補者>
代表取締役(代表6年+就任前6年勤務)
<相談内容>
Q:複合施設の飲食店が出店する際の店舗内装工事と看板設置工事を行っているが、建設業許可が29業種に分かれておりどの業種の許可を取得すればいいのかわからない。
→工事内容をヒアリングするうちに、メインで請け負っている工事が店舗内装工事で附帯工事として看板設置工事をしていることが分かりました。店舗内装工事は建設業法においては「内装仕上工事業」、看板設置工事は「鋼構造物工事業」に該当します。もちろん二業種の許可を取得できれば良いのですが、初回相談から2か月後には許可が必要とのことで、まずは内装仕上工事業を目指すことへ。
附帯工事については、下記ページをご確認ください!
Q:資格がなくても大丈夫なのか?
→候補者の代表取締役は10年以上従業員としても申請会社でお勤めだったため、資料が揃えば、資格がなくても許可取得ができると判断。
Q:内装仕上工事(店舗内装工事)と鋼構造物工事(看板設置工事)を15年しているが、一気に2業種の許可が取れないのか。
→専任技術者になるための条件である10年間の実務経験は1業種につき10年必要で、10年間に2業種の経験があっても1業種しか認められません。そのため、代表取締役のみを専任技術者として選任するためには、内装仕上工事を10年+鋼構造物工事を10年で合計20年間の実務経験が必要になります。今回は12年間の実務経験のみだったため、内装仕上工事のみで進めるために。
なお、専任技術者を2名にして、代表取締役は内装仕上工事の専任技術者として、別の従業員を鋼構造物工事の専任技術者とすることも可能ですが、申請までのスケジュールを考えて内装仕上げ工事業のみと。
ここで、建設業許可を取得するための大きな3つの要件を確認しましょう。
- 経営業務に関わる方の中に、経営業務管理責任者を置く必要がある
- 許可を受けたい業種の専任技術者を持った方がいる
- 500万円以上の財産要件を満たしている
それぞれの要件をクリアした方法をご紹介していきます!
要件①:経営業務の管理責任者の要件をクリアする方法

経営業務の管理責任者の要件は常勤している取締役のうち、つぎのいづれかの要件をクリアする必要があります。
- 建設業に関して5年以上取締役として経験のある者
- 建設業に関して5年以上取締役に準ずる地位(建設部長等)にあり、経営業務のある者
- 建設業に関して、6年以上取締役に準ずる地位があるものとして、経営業務を補佐する業務に従事した経験がある者
- 建設業に関して2年以上役員等として経験を有し、かつ5年以上役員又は役員に次ぐ職制上の地位にあるもの。さらに5年以上財務管理、労務管理、業務運営管理の従事した者を補佐としておくこと。
- 5年以上役員としての経験を有し、かつ建設業に関して2年以上の経験があるもので更に、5年以上の財務管理、労務管理、業務運営管理に従事した補佐役をおくこと。
建設業許可において経営業務の管理責任者でつまずくケースが一番多いです。5年以上の経営経験(役員経験)というのは、かなり高いハードルだからです。
今回の相談のケースでは会社を設立して約15年経過していたので、「1.建設業に関して5年以上取締役として経験のある者」がクリアしていました。
建設業に関して5年以上取締役として経験のある者の証明方法
今回建設業を取得しようと思っているので、建設業許可がない会社で取締役経験が5年以上営んできた場合、建設業を行っていた証明をしなければいけません。その証明方法は建設業に関する請負契約書、注文書+請書、請求書+入金記録といった書類の提出です。
▼必要書類の一例
証明書類 | |
法人役員の経験 | ①登記事項証明書 + ②工事請負契約書、注文書+請書、請求書+入金記録 (証明期間分:3か月ごとに1件) |
まず、取締役経験は履歴事項全部証明書に登記されているのですぐにクリアできました。
その次に、建設業を営んでいた経験の証明としては、工事請負契約書、注文書+請書、請求書+入金記録などから証明します。
今回はすべての方法で証明することができそうでしたが、スケジュールから考えて請求書+入金記録で証明をしました。請求書はすべてエクセルデータで残っていたので、いったんすべてのデータを送っていただき、建設業許可申請に使用できるものをこちらでピックアックしました。
現在は工事請負契約書の発行日から計算して3か月ごとに1件で大丈夫なのですが、当時(令和3年前後)では1カ月ごろとに1件という決まりでしたのでかなり大変でしたが、用意することができました。
これで、まずは、経営業務の管理責任者の要件はクリアです。
要件②:専任技術者の要件をクリアする方法

2つ目の要件である専任技術者は営業所(本店等)に常勤する技術者のうち、つぎのいづれかの要件をクリアする必要があります。
<一般建設業許可の専任技術者の要件>
- 定められた国家資格を持っている
- 定められた国家資格+資格取得後一定の実務経験がある
- 指定学科を卒業し、学歴に応じた実務経験がある
- 10年以上の実務経験がある
経営業務の管理責任者に次いで専任技術者もハードルが高いです。
今回は国家資格や指定学科を卒業していなかったので、「4.10年以上の実務経験がある」をクリアする方法で申請を進めていきました。
10年以上の実務経験の証明方法
建設業許可がない会社で許可を取得しようとする建設業業種について10年以上営んできた場合、①該当する工事を行っていた証明、かつ、②その期間その会社に所属していたことを証明しなければいけません。
① 該当する工事を行っていた証明 | 工事請負契約書、注文書+請書、請求書+入金記録 (証明期間分:3か月ごとに1件) ※該当する工事が分かる必要があります。 |
② その期間、会社に所属していた証明 | 健康保険証、厚生年金の被保険者記録回答票 |
<①該当する工事を行っていた証明>
先ほどの経営業務の管理責任者と同じように、請求書のエクセルデータをすべていただき、こちらで申請に使用できる部分をピックアップしました。
請求書内に「店舗内装工事」と記載があったので、内装仕上工事業だと明確に判断することができました。店舗工事には請求書内に「店舗プロジェクト」と記載されていることも多く、一般的には内装工事だと思っても、明確にわからなければ許可申請においては書類不十分となり、受付されないので注意が必要です。
<②その期間、会社に所属していた証明>
専任技術者の候補者が代表取締役で、社会保険(健康保険・厚生年金)に適切に加入したので、健康保険証で証明することができました。(健康保険証の加入年月日~現在までと①の期間が一致していたため)
これで、専任技術者の要件もクリアです!
最後に財産要件を確認していきましょう。
要件③:財産要件をクリアする方法

建設業許可を取る上であと1つ、申請者からの相談が多いのが財産要件です。
500万円の財産要件を証明する方法は次の2つの基準です。
- 自己資本が500万円以上あること
- 500万円以上の残高証明書を用意できるか
資本金を500万円以上しなければ財産要件を満たすことができないと思われている方が多いですが、資本金500万円=財産要件クリアではありません。
また、資本金を500万円以上にしても、財産要件を必ずしもクリアできるというわけではありません。
①自己資本が500万円以上あることを証明
自己資本とは、簡単にいうと財産から借金を差し引きした金額(返済義務のない資金)のことです。
具体的には、直前期の決算報告書内の貸借対照表のうち、「純資産の部」の金額をいいます。資本金や資本剰余金、利益剰余金や繰越利益剰余金といった項目が並んでいると思いますが、これらの合計額が自己資本ということになります。
したがって、資本金が100万しかなくても、利益剰余金(今までの利益金)が400万円以上あれば、自己資本合計が500万以上となり、財産要件はクリアできるというわけです!
この会社は自己資本が決算報告書で500万円以上あることが証明できたので、特別追加書類なくクリアできました。
初回相談から様々な資料をご準備いただき、無事に建設業許可を取得することができました!
初回相談から建設業許可申請までは約3週間くらいだと思います。申請してから標準処理期間は約1カ月とされているので、無事に2か月以内に建設業許可を取得することができました!
建設業許可を勝ち取る方法:まとめ
建設業許可を取得するためには、さまざまな要件を満たす必要があります。基本的な許認可であれば、有資格者がいれば取得できることも多いなか、建設業許可はかなりハードルの高い許可といえます。
なお、建設業許可は営業所を構えている都道府県に申請をすることになりますが、各都道府県によって審査基準が大きく変わります。東京都で建設業許可の取り方をまとめているので、ぜひご確認ください。
手続きに不安があり代行してほしい方は、行政書士など専門家への相談をおすすめします。適切なサポートを受けられ、よりスムーズに手続きを進められるでしょう。