【建設業許可】施工管理技士は7種類!この施工管理にはどの業種が取れる?

建設業は、国民の生活インフラを支える重要な役割を担う業界です。そのため、建設や建築には工程を適切に管理できる人材が必須ですが、それを証明できる国家資格の1つに施工管理技士があります。

この施工管理技士の資格があると建設業許可を取得しやすくなることはもちろんです。また、すでに取得している建設業許可の業種を増やすことが可能になります。しかし、ひとくくりに施工管理技士といっても、7つの種類に分けれられおり、専門分野が異なっております。

このページでは、7つの施工管理技士がどの業種の建設業許可の専任技術者になることができるのか紹介していきます!

施工管理技士とは国家資格の一つ

「施工管理技士」とは、建設業法で定められた国家試験の一つです。
また、「施工管理技士」は1級と2級があり、2級は一般建設業の専任技術者や各現場に配置される主任技術者になれます。
一方で、1級は2級の対象範囲に加え、特定建設業の専任技術者や各現場に配置される監理技術者になれるという違いがあります。

「監理技術者」は、直接発注された工事を行うために、4,500万円(建築一式は7,000万円)以上で他の建設業と締結する下請契約を交わす場合は、特定建設業の許可とあわせて配置が必要とされています。また、「主任技術者」は、建設業の許可を受けて工事を行う場合に現場での配置が必要とされています。

資格を取得すれは建設業許可が取得しやすくなる!

まず初めに建設業の許可を申請する際に、必ず下記の要件をクリアしておかなければ許可はおりません。

  1. 経営業務に関わる方の中に、経営業務管理責任者を置く必要がある
  2. 工事に関わる契約を結び、見積もりを行う営業所を設置する
  3. 許可を受けたい業種の専任技術者を配置する必要がある
  4. 財産的信用の基準を満たしている
  5. 欠格事由に該当していないこと

これらの要件は、内容も複雑で厳しい条件などが含まれます。この中で、今回のテーマに関わりのある3.の専任技術者についてご説明します。

▼許可を受けたい業種の専任技術者を配置する必要がある

営業所(本店等)に常勤する専任技術者がいることです。専任技術者の要件は一般建設業許可と特定建設業許可で異なりますが、一般建設業の場合は常勤している従業員のうちつぎの4つのいづれかの要件を満たす必要があります。

  1. 定められた国家資格を持っている
  2. 定められた国家資格+資格取得後一定の実務経験がある
  3. 指定学科を卒業し、学歴に応じた実務経験がある
  4. 10年以上の実務経験がある

そこで7つの施工管理技士は国家資格なので、1.の条件に該当します。

専任技術者になるための実務経験を証明する必要がないので、建設業許可を取得できる可能性が高くなります!

それでは、7つの施工管理技士についてみていきましょう!

建築施工管理技士

建築施工管理技士とは、マンションや住宅、商業施設やオフィスビルなどの建物の建築工事に関連する資格で、試験は一般財団法人建設業振興基金が行っています。


超高層マンションや、屋外競技上、大型ショッピングモール、公共施設等などの建築工事において主任技術者又は監理技術者として施工計画を作成し、現場における工程管理、安全管理など工事施工に必要な技術上の管理等を行います。

▼建築施工管理技士の種類

  • 1級建築施工管理技士
  • 2級建築施工管理技士(種別:建築)
  • 2級建築施工管理技士(種別:躯体)
  • 2級建築施工管理技士(種別:仕上げ)

それでは、種類ごとにどのような業種の建設業許可が取得できるか見ていきましょう!

1級建築施工管理技士

1級建築施工管理技士を持っていると、次の業種の建設業許可を取ることができます。

  • 建築工事業(建築一式工事)
  • 大工工事業
  • 左官工事業
  • とび土工工事業
  • 石工事業
  • 屋根工事業
  • タイルレンガブロック工事業
  • 鋼構造物工事業
  • 鉄筋工事業
  • 板金工事業
  • ガラス工事業
  • 塗装工事業
  • 防水工事業
  • 内装仕上げ工事業
  • 熱絶縁工事業
  • 建具工事業
  • 解体工事業

17つの業種をいっきに取得することができます。

2級建築施工管理技士(種別:建築)

2級建築施工管理技士(種別:建築)を持っていると、次の業種の建設業許可を取ることができます。

  • 建築工事業(建築一式工事)
  • 解体工事業

2級建築施工管理技士(種別:建築)は主に建築工事業の専任技術者ですので、元請としてマンションを建築する際のマネジメントや新築戸建てをメインにする建設業者さんにはおすすめの資格です。

2級建築施工管理技士(種別:躯体)

2級建築施工管理技士(種別:躯体)を持っていると、次の業種の建設業許可を取ることができます。

  • 大工工事業
  • とび土工工事業
  • タイルレンガブロック工事業
  • 鋼構造物工事業
  • 鉄筋工事業
  • 解体工事業

2級建築施工管理技士(種別:仕上げ)

2級建築施工管理技士(種別:仕上げ)を持っていると、次の業種の建設業許可を取ることができます。

  • 大工工事業
  • 左官工事業
  • 石工事業
  • 屋根工事業
  • タイルレンガブロック工事業
  • 板金工事業
  • ガラス工事業
  • 塗装工事業
  • 防水工事業
  • 内装仕上げ工事業
  • 熱絶縁工事業
  • 建具工事業

2級建築施工管理技士(種別:仕上げ)は主にリフォーム工事をメインにする建設業者におすすめの資格です。

2級建築施工管理技士の種別については、一般的には、「建築」か「仕上げ」の種別をお持ちの方が多く、「躯体」は、あまり見ないマイナーな種別です。

土木施工管理技士とは

土木施工管理技士とは、道路や橋、水道や河川、トンネルなどの私たちの生活や産業活動の基盤となるインフラ関連の土木工事に必要な資格で、試験は一般財団法人全国建設研修センターが実施しています。
河川、道路、橋梁などの土木工事において主任技術者又は監理技術者として施工計画を作成し、現場における工程管理、安全管理など工事施工に必要な技術上の管理等を行います。

▼土木施工管理技士の種類

  • 1級土木施工管理技士
  • 2級土木施工管理技士(種別:土木)
  • 2級土木施工管理技士(種別:薬液注入)
  • 2級土木施工管理技士(種別:鋼構造物塗装)

それでは、種類ごとにどのような業種の建設業許可が取得できるか見ていきましょう!

1級土木施工管理技士

1級土木施工管理技士を持っていると、次の業種の建設業許可を取ることができます。

  • 土木工事業(土木一式工事)
  • とび土工工事業
  • 石工事業
  • 舗装工事業
  • しゅんせつ工事業
  • 鋼構造物工事業
  • 塗装工事業
  • 水道施設工事業
  • 解体工事業

9つの業種をいっきに取得することができます。

2級土木施工管理技士(種別:土木)

2級土木施工管理技士(種別:土木)を持っていると、次の業種の建設業許可を取ることができます。

  • 土木工事業(土木一式工事)
  • とび土工工事業
  • 石工事業
  • 舗装工事業
  • しゅんせつ工事業
  • 鋼構造物工事業
  • 水道施設工事業
  • 解体工事業

1級ほどではないですが、8つの業種の建設業許可を取得することができます。

2級土木施工管理技士(種別:薬液注入)

2級土木施工管理技士(種別:薬液注入)を持っていると、次の業種の建設業許可を取ることができます。

  • とび土工工事業

2級土木施工管理技士(種別:鋼構造物塗装)

2級土木施工管理技士(種別:鋼構造物塗装)を持っていると、次の業種の建設業許可を取ることができます。

  • 舗装工事業

2級土木施工管理技士の種別については、一般的には、「土木」の種別をお持ちの方が多く、「鋼構造物塗装」や「薬液注入」は、あまり見ないマイナーな種別です。

管工事施工管理技士とは

管工事施工管理技士とは、ガス配管設備やポンプ、空調設備などの配管工事に必要な資格で、試験は一般財団法人全国建設研修センターが実施しています。
上下水道の配管工事や空調関連のダクト工事、ガス配管の工事などさまざまです。

水道やガス、空調など私たちの生活に欠かせない管工事のエキスパートとして、幅広いニーズのある資格です。

1級でも2級でも管工事施工管理技士を持っていると、その名の通り管工事業の建設業許可を取得することができます!

電気工事施工管理技士とは

電気工事施工管理技士とは、照明設備や送電設備などの幅広い種類の電気工事の資格で、一般財団法人建設業振興基金が試験を行っています。
電気工事の施工計画の作成、工程・安全・品質の管理等を行い、電気工事の監督を行うことができる国家資格です。電気工事の施工管理は、電気工事施工管理技士の資格がないと行えませんので、電気工事業務を幅広くこなしたい事業者にとっては無くてはならない資格と言えます。

1級でも2級でも電気工事施工管理技士を持っていると、その名の通り電気工事業の建設業許可を取得することができます!

電気通信工事施工管理技士とは

電気通信工事施工管理技士とは、インターネットや携帯電話回線などの通信関連の工事の資格で、試験は一般財団法人全国建設研修センターが実施しています。
電気通信工事の現場で施工計画・工程管理・安全管理・技術者の監督などに携わるスキルがあることを証明する資格です。光回線やスマートフォン回線、5G回線などの成長分野の工事にも関わる仕事です。

1級でも2級でも電気通信工事施工管理技士を持っていると、その名の通り電気通信工事業の建設業許可を取得することができます!

造園施工管理技士とは

造園施工管理技士とは、学校や公園、道路などの造園工事の資格で、試験は一般財団法人全国建設研修センターが実施しています。


建設業の中でも緑地・緑化に関連する工事全般を担当します。 植栽、公園、庭園、街路樹、壁面・屋上緑化など緑(植物)に関わる工事全般になります。 

植物は生きている限り成長します。公園や庭園などの緑地は飽和状態で新設工事は減少傾向ですが、公園や庭園が存在する限り育成管理の業務は無くなりません。 

1級でも2級でも造園施工管理技士を持っていると、その名の通り造園工事業の建設業許可を取得することができます!

建設機械施工技士とは

建設機械施工技士とは、さまざまな建設機械を使う工事に必要な資格で、一般社団法人日本建設機械施工協会が試験を行っています。
建設業の中でも建設機械を使った工事の品質管理や安全管理する工事全般を担当します。  

建築機械施工管理技士の国家資格を持っていると、1級でも2級(1種~6種問わず)でも、次の業種の建設業許可を取ることができます。

  • 土木工事業(土木一式工事)
  • とび土工工事業
  • 舗装工事業

専任技術者の配置する場合の注意する点

専任の技術者を置く場合に、下記の項目に注意する必要があります。

必ず常勤であること
・社会保険に加入しておくこと(雇用保険・健康保険・厚生年金全て)
・他の会社で、専任技術者として登録していないこと(同一企業でないと兼任は認められません)
・資格を持っている証拠として“合格証”が手元にあるか

これらは手続きを行う中で、厳しくチェックされる項目なので注意しておきましょう。

施工管理技士で建設業許可を取得する場合のまとめ

今回は、7種類ある施工管理技士がどのような業種の建設業許可を取得できるかというテーマでご紹介しました。

1級2級かかわらず施工管理技士の資格は、10年間の実務経験を証明することなく該当の建設業種の専任技術者になることができるので、建設業許可を取得したい業者さまや新たに建設業種を追加したい業者さまにとっては、かなり便利な資格です。

しかし、建設業許可は専任技術者以外でも様々な要件をクリアする必要があり、申請するためにも作成する書類は膨大です。

なるべく早く許可が必要な方は、自社で行うより、行政書士等の専門家に相談して進める方が結果的に早く許可を取得することができるでしょう。

手続きに不安があり代行してほしい方は、行政書士など専門家への相談をおすすめします。適切なサポートを受けられ、よりスムーズに手続きを進められるでしょう。

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