【解体工事業登録】内装解体でも登録を受けた方がよい

建設業許可の内装仕上工事業を取得して、内装解体・現状回復・スケルトン工事を主に請け負っているものの、

  • 「元請業者から解体工事の許可や登録を取るように言われた…」
  • 「解体工事業の無登録者には工事を発注できないと言われた…」

そんな状況に直面し、内装仕上工事業許可を取っていれば、内装解体・現状回復・スケルトン工事ができると思っていたのに、他にも許認可が必要なのか?という方も多いのではないでしょうか。

実際、内装解体・現状回復・スケルトン工事は内装仕上工事業許可があれば500万円以上の工事を請負うことができます。しかし、解体工事業関係の許認可も必要だと思っている業者はかなりいることも事実です。

このページでは、内装解体・現状回復・スケルトン工事を専門とする建設業者が解体工事業関係の許認可を取得するための条件や手続きについて、わかりやすくご説明していきます。

そもそも内装解体・現状回復・スケルトン工事はどの業種?

建設業法では建設工事を「2種類の一式工事」と「27種類の専門工事」に区分しています。しかし、内装解体・現状回復・スケルトン工事という区分はありません。

では内装解体・現状回復・スケルトン工事は建設業法上、どの区分の工事に該当するかというと、原則「内装仕上げ工事業」になります。

取り壊しているのに内装”仕上”工事っておかしい!と思う方も多いですが、内装仕上工事業として施工された物を取り壊す場合には、同じ業種に分類されると考えられています。

そのため、事務所の内装解体や店舗のスケルトン工事などは内装仕上工事業に該当するわけです。

「じゃあ解体工事業ではないの?」とよくご質問を受けますが、建設業29業種のひとつである「解体工事業」は建物一棟をまるごと取り壊し、土地を更地に戻す工事と定められています。

つまり、内装部分のみの解体や、一部を残すような部分的な工事は、「解体工事業」には該当しません。

▼スケルトン工事のイメージ

▼解体工事業のイメージ

したがって、内装解体工事といっても解体工事業ではなく内装仕上げ工事業になりますので、工事内容をきちんと把握しどの業種の建設業許可をとるのかを慎重に判断する必要があります。

なぜ「解体工事業」の許可を求められるのか?

建設業法上、内装解体やスケルトン工事は原則として「内装仕上工事業」に該当しますが、実際の現場では、元請けから「解体工事業」の許可を求められるケースが多くあります
これは単なる誤解や言葉の印象だけではなく、

  • 安全管理・法令遵守への配慮
  • 工事内容の実態に応じた解釈
  • 許可区分の曖昧さ・誤解

という観点から、元請けの法令順守意識やリスク管理上解体工事に関する許認可を求めることが多いです。具体的に見てみましょう。

① 安全管理・法令遵守への配慮

  • 内装といえども騒音・粉じん・アスベスト対応など、安全・環境配慮が求められる作業になることがあります。
  • 元請けとしては、「解体工事業者=法令対応や経験がある」という安心感があり、万が一のリスクを回避したい意図があります。

② 工事内容の実態に応じた解釈

  • 店舗スケルトン工事などで躯体への影響がある場合や構造体の一部撤去を伴うと、内装仕上工事の範囲を超えると判断される可能性があります。
  • そのため、元請け側が「念のため」解体工事業の許可を条件とすることがあります。

③ 許可区分の曖昧さ・誤解

  • 内装解体=「解体」という言葉から、直感的に“解体工事業が必要”と誤解されることが少なくありません。
  • 特に公共工事や大手ゼネコンなどは、リスク回避を優先して広く許可取得を求める傾向があります。

したがって、建設業法上は内装仕上工事業に該当するため、建設業許可(業種:内装仕上工事業)を取得していれば、500万円以上の工事を請負うことができるのですが、発注者としては解体工事業の許認可を求める動きがあるのです。

では、解体工事の許認可といっても、「建設業法」に定められている許可と「建設リサイクル法」に基づく、解体工事業の“登録制度”の2つあります。

ここからは、比較的取得ハードルの低い建設リサイクル法の解体工事業登録についてご紹介します。

解体工事業の”登録”とは?

土木一式工事業、建築一式工事業、解体工事業の建設業許可を持たずに、家屋等の建築物その他の工作物(建築物等)を解体する建設工事業(解体工事業)を始めようとする方は、元請・下請関わらず建設リサイクル法による都道府県知事の登録を受けなければなりません。

建設業法では、500万円以上の工事を請負う場合に、建設業許可を取得しなければならないとされていますが、建築リサイクル法では金額に関わりなく都道府県知事の登録を受けなければならないとされています。

項目解体工事業登録
(建設リサイクル法)
建設業許可
対象工事金額に関係なく解体工事は必要500万円以上の工事
申請先現場のある都道府県知事営業所のある都道府県知事
効力の範囲登録した都道府県内のみ有効全国

登録申請はどこにする?

解体工事業の登録は、工事を行う現場のある都道府県に対して行います。たとえば、営業所が東京都にあっても、神奈川県や埼玉県、千葉県で工事をする場合、それぞれの都道府県に登録が必要になります。

例えば・・・

営業所:東京都

解体工事現場:東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県

→解体工事現場のある都道府県ごとに登録申請が必要なため、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県で登録を受ける必要がある。

建設業許可は、建設業を営む営業所の都道府県知事(2つ以上の都道府県に営業所がある場合は国土交通大臣許可)の許可を受ければ、全国どこでも営業できるという点に違いがあります。

登録先がわからない方へ
解体工事業登録は現場のある都道府県ごとに申請が必要です。どこに申請したらよいかわからない方は、行政書士など専門家への相談をおすすめします。今すぐ[無料相談フォーム]からご相談ください。

解体工事業の登録を取るには?必要な2つの要件を詳しく解説!

解体工事業の登録を行うには、以下の2つの要件を満たす必要があります。

  • 技術管理者の配置
  • 欠格要件に該当しないこと

技術管理者を選任していること

登録には、一定の資格や実務経験を持つ「技術管理者」を選任し、専任で配置することが必要です。

技術管理者となれるのは、次のいずれかの条件を満たす方です。

①国家資格を持っている

  • 1級・2級建設機械施工技士
  • 1級・2級土木施工管理技士(2級は「種別:土木」に限る)
  • 1級・2級建築施工管理技士(2級は「種別:躯体」に限る)
  • 1級・2級建築士
  • 技術士(建設部門)

②登録試験に合格している

公益社団法人全国解体工事業団体連合会が実施する技術管理者試験に合格していること。

③指定学科卒+実務経験あり

大学で土木工学(土木工学、農業土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地又は造園に関する学科)に関する学科→解体工事に関する2年以上の実務経験

もしくは

高校で土木工学(土木工学、農業土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地又は造園に関する学科)に関する学科→解体工事に関する5年以上の実務経験

④8年以上の実務経験がある

解体工事に関する8年以上の実務経験がある。

⑤登録講習受講+実務経験

国土交通大臣が実施する講習または国土交通大臣の登録を受けた登録講習を受講し、以下いずれかの実務経験を有する者

<登録講習実施団体>

解体工事実施技術講習
・公益社団法人全国解体工事業団体連合会
・一般社団法人全国建設研修センター

大学で土木工学(土木工学、農業土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地又は造園に関する学科)に関する学科→解体工事に関する1年以上の実務経験

もしくは

高校で土木工学(土木工学、農業土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地又は造園に関する学科)に関する学科→解体工事に関する3年以上の実務経験

もしくは

上記以外で解体工事に関する7年以上の実務経験がある。

お困りの際はご相談ください

解体工事業登録の要件は複雑で、特に実務経験の証明に関しては判断が難しいこともあります。
「自分が要件を満たしているかわからない」「証明書類が揃えられるか不安」など、お困りの方はお気軽にご相談ください。

欠格要件に該当しないこと

5つ目の要件は、建設業許可を受けようとする者(法人の役員、事業主本人等)が、以下の欠格要件に該当しないことです。

  1. 成年被後見人、被保佐人または破産者で復権を得ない者
  2. 不正な手段で許可を受けたことなどにより、その許可を取り消されてから5年を経過しない者
  3. 許可の取り消しを免れるために廃業の届出をしてから5年を経過しない者
  4. 請負契約に関して不誠実な行為をしたことなどにより、営業の停止を命じられ、その期間が経過していない者
  5. 禁錮以上の刑に処せられその刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けることが無くなった日から5年を経過しない者
  6. 建設業法、建築基準法等の建設工事に関する法令のうち政令で定めるもの、若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、 又は刑法等の一定の罪を犯し罰金刑に処せられ、刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

5つ目の要件は、申請者自身や法人の役員などが「一定のルール違反に該当していないこと」が求められます。これを「欠格要件(けっかくようけん)」といいます。

以下のいずれかに該当すると、許可を受けることができません

  • 成年被後見人、被保佐人、または破産して復権を得ていない人
     → 法的に取引の判断能力がないとされる場合です。
  • 不正な手段で解体工事業登録や建設業許可を取得し、その許可を取り消されてから5年を経過していない
  • 許可の取り消しを免れるために廃業の届出をし、それから5年を経過していない
  • 不誠実な請負契約を行い、営業停止処分を受けてその期間がまだ終わっていない
  • 禁錮(きんこ)以上の刑を受け、執行終了や免除から5年を経過していない
     → 実刑を受けた後、5年が経っていない場合も該当します。
  • 建設リサイクル法や建設業法などの関連法令に違反し、罰金刑を受けた日から5年を経過していない

実際に、この欠格要件のご相談はかなり多いです。

例えば・・・

  • スピード違反で罰金があっても大丈夫か?
  • 登記懈怠で罰金(過料)があった
  • 飲酒運転で捕まったことがある
  • 現場で喧嘩して書類送検されたことがある
  • あおり運転をされて腹が立って相手を殴った など

これはすべて本当に相談された内容です。欠格要件に該当してもばれないと思ったけど不許可になったという相談もありました。

「昔のことだから大丈夫だろう」と自己判断してしまうのは危険です。欠格要件に該当するケース・該当しないケースありますので、過去の経歴に不安がある場合は、必ず事前に専門家に相談して確認しましょう。

解体工事業登録を受けたい方へ ― 必ず確認すべきポイントとは?

内装解体やスケルトン工事は建設業法上では「内装仕上工事業」に該当するのが原則ですが、実際の現場では元請けから「解体工事業」の許可や登録を求められるケースが多く見られます。これは、法的な分類とは別に、元請け側が安全管理や法令遵守、リスク回避を重視していることが背景にあります。

しかし、解体工事業の許可や登録は誰でも簡単に取れるものではありません。
厳しい人的要件をはじめ、欠格要件など、細かい審査項目を一つずつ丁寧にクリアしていく必要があります

「今すぐ許可・登録を取らないと大きな案件が受注できない」
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