建設業許可には、許可行政庁の違いにより都道府県知事の許可と、国土交通大臣の許可の2種類があります。
東京都のみに営業所がある場合は東京都知事許可になりますし、東京都と埼玉県など2以上の都道府県に営業所がある場合は国土交通大臣許可になります。
この許可の種類を変更することを「許可換え新規」と言います。
このページでは許可換え新規の制度やどのような場合に該当するかなどを紹介します。
許可換え新規ってどういう制度?
許可換え新規とは、建設業許可の管轄行政庁が異なる内容で、許可を換える(取り直す)行政手続きのことです。許可換え新規には3パターンがあります。
- 知事許可から別の知事許可に変わる場合
- 知事許可から国土交通省大臣許可になる場合
- 国土交通省大臣許可から知事許可になる場合
それぞれの状況や特長を見ていきましょう!
知事許可から別の知事許可に変わる場合
このパターンはすでに東京都のみに営業所があるため東京都知事許可をもっている建設業者が東京都から埼玉県に営業所を移転させるときには、埼玉県知事から新たに許可を取得しなければいけません。
この許可換え新規の手続きは、主に次のような変更が生じる際に必要となります。
- 営業所1か所で営業する建設業者が、その営業所を他の都道府県に移転させる場合
- 同一都道府県内に複数の営業所を設置する建設業者が、そのすべての営業所を別の同一都道府県内に移転させる場合
この場合、基本的には他の都道府県知事の許可を新たに取り直すことになるため、手続き的に必要な書類等も、新規に建設業の知事許可を取得するのとほとんど変わりません。
法定手数料
知事許可から知事許可への許可換え新規は、法定手数料9万円がかかります。(一般と特定を同時に取得する場合は、18万円)
知事許可から大臣許可への許可換え
2つめのパターンは東京都のみに営業所があるため東京都知事許可を持っている建設業者が新たに埼玉県にも営業所を設置する場合、2つの都道府県にまたがるため東京都知事許可と埼玉県知事許可の2つの許可を取得するのではなく、大臣許可に許可を換える必要があります。この場合も許可換え新規と呼ばれます。
主に次のような変更が生じる際に必要となります。
- 1つの主たる営業所を設置する建設業者(知事許可)が、新たに別の都道府県に従たる営業所を設置する場合
- 同一都道府県内にすべての営業所を設置する建設業者(知事許可)が、新たに別の都道府県に従たる営業所を設置する場合
この場合、大臣許可を新たに取得するのと同様のため、手続き的に必要な書類等も、新規に建設業の大臣許可を取得するのとほとんど変わりません。
登録免許税
知事許可から大臣許可への許可換え新規は、登録免許税として18万円がかかります。(一般と特定を同時に許可換えする場合は、30万円)
大臣許可から知事許可への許可換え
最後のパターンは複数の都道府県に営業所を構えているため大臣許可を取得している建設業者が営業所を廃止し営業所が東京都のみになってしまった場合です。コロナ渦で事業縮小を余儀なくされた建設業者が比較的多く申請していました。
大臣許可から知事許可への許可換えは、主に次のような変更が生じる際に必要となります。
- 複数の都道府県に設置していた営業所の一部を廃止して、1つの都道府県内にすべての営業所が存在する状態となる場合
この場合、手続き的には知事許可を新たに取得するのと同様となります。
法定手数料
大臣許可から知事許可への許可換え新規は、法定手数料として9万円がかかります。(一般と特定を同時に許可換えする場合は、18万円)
そもそも営業所とは?
建設業許可における営業所とは、「常時建設工事の請負契約を締結する事務所のこと」を言います。
営業所と認められるためには、契約締結の権限が与えられていることが必要であり、少なくとも以下の要件を備えていなければなりません。
- 工事の見積もりや入札、契約書の締結行為など、請負契約に係る実体的な業務を行っていること
- 契約締結に関する権限を付与された者が常勤していること
- 営業を行う場所を有し、電話や机などの物理的な施設を備えていること
- 専任技術者が常勤していること
営業所だと思っていても、建設業法上の営業所に該当しない場合もありますので、一度行政書士などの専門家に相談したほうがよいでしょう!