測量業登録の申請方法をまるっと解説!

測量を業務として営むためには、法人個人問わず、また元請け、下請けに関わらず国土交通省にて測量業登録を受ける必要があります。

これから測量士として独立し、測量会社を開業するというとき。または、建設業者や宅建業者が新規事業として測量業務を立ち上げるとき。このような新規事業の開始にあたっては、登録の手続きを行わなければなりません。

本ページでは、測量業の登録に必要な要件や流れについて紹介します。

測量業の登録が必要なのはどんな業務?

一度は道路や歩道にて、三脚の上に付いている黄色の箱型の機械を覗き込んで、距離または傾斜を測量している光景をみたことがあるのではないでしょうか?

これらの仕事を一般的に測量業と言います。そして、この測量業務をするためには国土交通省へ登録を行う必要があるのです。

測量機器を用いたりして、行う測量を業務として営む上では、法人個人問わず、また元請け、下請けに関わらず測量業登録を受ける必要があります。建設業許可を取得している業者も測量業を始める場合には測量業登録が必要です。

測量業の3つの業務分類

測量業とは、下記3つの業務分類に分けれており、いずれかを請け負う業務のことを言います。

  1. 基本測量
  2. 公共測量
  3. 基本測量及び公共測量以外の測量

それぞれ詳しく見てみましょう!

①基本測量

国土交通省土地理院が行う、全ての測量における基盤の測量。

②公共測量

基本測量以外の測量のうち、測量に要する費用の全部若しくは一部を国または公共団体が負担し、若しくは補助して実施するものをいう。

基準点測量、地形測量、地図調製(地図編集)をいい、測量用写真の撮影も含まれますが、小道路若しくは建物のため等の局地的測量または高度の精度を必要としない測量は除かれます。

③基本測量及び公共測量以外の測量

主に企業が行う開発の際の測量で、基本測量または公共測量の測量結果を使用して実施する、基本測量・公共測量以外の測量(ただし、小道路もしくは建物のため等の局地的測量、高度の制度を必要としない測量で、政令で定めるものは除きます)。

測量業登録には測量士が必要です!

測量業登録をするためには、登録しようとする営業所ごとに測量士を1人以上常勤させる必要があります。

営業所が1つであれば測量士が1人いればいいのですが、複数の営業所がある場合はそれぞれの営業所に測量士を配置する必要があります。

またこれらの測量士は会社に常勤していなければならないですが、専任性が求められる他の役職との兼務の禁止までは求めていません。したがって、同一の営業所であれば、「建設業の専任技術者」や「宅建業の専任宅建士」を兼務することができます。

測量士になるには資格が必要?

測量士になるためには、毎年行われる測量士試験に合格することで測量士になる資格を得ることができます。

また、試験合格以外でも大学にて測量に関する一定の科目を履修し卒業後、実務を1年以上経験すると資格を得ることもできます。(高等学校、短期大学の場合は、測量に関する科目履修し卒業後、3年以上の実務経験が必要になります)

また、測量士補が測量に関する専門の養成施設を得て資格を取得することも可能です。

これら資格を得た後に、免許登録を申請することにより測量士と名乗ることができます。免許を受けるまでは、測量士としては認めれないので注意が必要です。

測量業登録の申請や必要書類について

測量業登録は国土交通省に行う必要があると紹介しましたが、具体的には管轄の国土交通省地方整備局等へ申請を行うことになります。

この地方整備局は、全国に8箇所あり(北海道は北海道開発局、沖縄は沖縄総合事務局が申請先となります。)それぞれ管轄が分かれているので確認しましょう。

主な管轄区分は、関東、北陸、東北、近畿、中部、中国、四国、九州となっております。

審査期間はかなり長いです。。

国土交通省地方整備局へ、申請し、受理された後には約70日間かかります。

申請書類作成や、準備にも時間がかかるので、余裕を持って申請の用意をしましょう。

登録の有効期間はどれくらい?

測量業登録が完了した日から有効期間は5年間となります。この有効期間以降も引き続き事業を行う場合は更新をする必要があります。

有効期限が過ぎてしまわないように、早めに更新登録申請の準備が必要です。

登録に必要な費用は?

個人の場合と法人の場合によって異なります。

【法人】

90,000円

【個人】

①平成18年3月31日以前に測量士登録:30,000円

②平成18年4月1日以降に測量士登録:15,500円

また更新申請は、法人個人問わずに15,500円です。

測量業の登録申請書類

登録申請に必要な書類は必要情報を記載する①登録申請書と②その他添付書類に分かれています。

①下記事項を記載した登録申請書

1.商号又は名称
2.営業所の名称及び所在地
3.法人である場合は、その資本又は出資の額及び役員の氏名
4.個人である場合は、その氏名
5.主として請け負う測量の種類及び測量業以外の営業又は事業を行なっている場合は、当該営業又は事業の種類

②添付書類

【法人の場合】

1.営業経歴書
2.定款
3.貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及び注記表
4.法人税の納税証明書
5.使用人数並びに営業所ごとの測量士及び測量士補の人数を記載した書面
6.登録申請者と役員及び法定代理人が欠格要件に該当しない者であることを誓約する書面
7.登録の要件を備えていることを誓約する書面
8.登録免許税の納付書・領収書又は登録手数料の収入印紙
9.履歴事項全部証明書
10.測量士名簿記載事項証明書

【個人の場合】

1.営業経歴書
2.直前2年の各事業年度における測量実施金額を記載した書面
3.貸借対照表及び損益計算書
4.申告所得税の納税証明書
5.使用人数並びに営業所ごとの測量士及び測量士補の人数を記載した書面
6.登録申請者及び法定代理人が欠格要件に該当しない者であることを誓約する書面
7.登録の要件を備えていることを誓約する書面
8.登録免許税の納付書・領収書又は登録手数料の収入印紙
9.測量士名簿記載事項証明書

登録後にしなければならないこと

測量業登録が無事完了した後、測量業者にはしなければならないことが発生します。

これを怠ると5年後の更新登録申請ができない場合があるので、きちんと確認しましょう。

  1. 毎事業年度終了の3ヶ月以内に経営に関する書類を提出
  2. 変更が生じた時に、変更登録申請書を提出

この中でも、①の毎事業年度終了の3ヶ月以内に経営に関する書類の提出がとても重要になります。

これは建設業の決算報告書類と同じようなイメージで、1年間どのような測量業を行っていたかを報告する書類です。

具体的には、当該事業年度の営業経歴書及び財務に関する報告書、納税証明書、使用人数、営業所ごとの測量士と測量士補の人数を掲載した書面(記載内容に変更があるときのみ)を提出しなければなりません。

これにより、営業がしっかり行われているか、また、測量士が在籍しているか確認が行われます。

行政書士に依頼するメリット

測量業登録において、登録申請書の作成や添付書類の収集などはとても手間と時間がかかるものです。特に添付書類は法務局から取得しなくてはならなかったり、税務署から取得する必要があったりなど、慣れていないと時間と労力を要します。また、申請書類に不備があると、審査がストップしてしまいます。

今まで一度も申請をしたことがないと登録をするために、どれだけの時間と労力がかかるかも未知数だと思います。そのため、行政書士に依頼することで、スムーズに申請することができ、結果的にご自身で行うより早く事業をスタートすることができます。

測量業登録のまとめ

建設業許可と関わりのある測量業の登録手続きについて紹介しました。

建設業許可ほどハードルの高い要件はありませんが、最低でも1人測量士が必要ですので測量業の新規事業の立ち上げを検討されているかは、従業員に測量士がいるか事前に確認しておきましょう。

手続きに不安があり代行してほしい方は、行政書士など専門家への相談をおすすめします。適切なサポートを受けられ、よりスムーズに手続きを進められるでしょう。