
宅地建物取引業法は、宅地や建物の取引に関する法律であり、不動産業者による不正行為を防止し、購入者の利益を守ることを目的としています。
広告や重要事項の隠蔽、契約内容の不明瞭化、価格操作や詐欺的な取引などを規制する内容です。
このページでは、宅建業がどのようなことを規制しているか、「宅地」「建物」「取引」「業」それぞれの意味をきちんと理解しましょう。それらは、一般的な意味とはその範囲や定義が異なるので、注意が必要です。
宅地建物取引業法で定められている規定
宅地建物取引業法は、以下のような内容が規定されています。
- 免許
- 不動産広告
- 報酬額
- 宅地建物取引士の設置
- 業務に対する規制
1.宅地建物取引業(宅建業)を営むためには、事業エリアに応じて都道府県知事、または国土交通大臣から免許を受ける必要があります。複数都道府県に営業所を設置している場合では国土交通省大臣許可を取得しなければいけません。一つの都道府県内のみに営業所を設置している場合は、当該都道府県知事からの免許取得が義務付けられています。
2.不動産広告においては、建物の所在地や規模、性能など、事実と著しく異なる表示をしたり、過度に有利であることをアピールしたりする表示が禁止されています。誇大広告を規制するための規定です。
3.宅建業者が得られる報酬額についても上限が設けられており、取引価格によって以下のように報酬率が規制されています。
売買代金 | 報酬額の上限 |
---|---|
売買代金の200万円以下の金額 | 売買代金×5.5% |
売買代金が200万円超400万円以下の金額 | 売買代金×4.4% |
売買代金が400万円超の金額 | 売買代金×3.3% |
4.宅地建物取引士の設置も必須です。 この取引士は、取引の相手方である買主や借主に対して、対象物件の権利関係や法的制限、取引条件などの重要事項を適切に説明しなければなりません。
5.事業者の業務行為自体にも一定の規制があります。宅地建物取引事業者は、仲介か代理のかといった取引形態の明示が求められます。
このように、宅地建物取引業法は、不動産業の公正な事業運営を認め、消費者保護を守るための重要な役割を担っています。
宅地建物取引業の対象となる事業者
宅建業法には、適用対象となる事業者が定義されています。具体的には、宅地または建物の売買や交換、代理業務、媒介業務を「業として」実施する者が規制の対象です。
例えば、土地や建物の売買契約の媒介を業とする不動産仲介業者や、賃貸物件の紹介業務を行う委託業者が該当します。
なお、契約更新の事務や家賃の徴収業務のみを行う事業者については、宅建業法適用対象外とされています。
宅地・建物・取引・業についてそれぞれ解説
先ほどご紹介したとおり宅建業を営むためには、原則として宅地建物取引士の免許を取得している必要があります。
しかし、どのような行為が宅建業に該当するのか明確になっていなければ、免許を必要なのか不要なのか。知らず知らずのうちに無免許営業となっていないかなど判断することができません。
そのため、宅建業法では、宅地建物取引業の意味が定義されています。そして、「宅地」「建物」「取引」「業」という各用語が指す意味も明確にされています。
以下、それぞれの定義と意味する範囲を解説します。
宅建業法における「宅地」とは
宅建業法における「宅地」は以下のように定義されています。
- 建物の敷地に供される土地
- 用途地域内の土地
1.建物の敷地に供される土地
宅建業法における宅地には、現在建物が建っている土地だけでなく、今後建物の敷地として使用する目的で取引される土地も含まれます。
建物の種類や場所にかかわらず、上記に該当すればすべて宅地となります。
また、将来建物を建てる目的で取引されるのであれば、現在の地目が何であっても宅地となります。
2.用途地域内の土地
用途地域とは、都市計画法に定められた土地の区分で、市街化区域内のそれぞれの土地に使用目的や利用制限を設けたものです。
用途地域の土地であれば、建物の有無や建物を建てる目的があるかどうかに関わらず「宅地」となります。
ただし、用途地域内の土地であっても、道路・公園・河川・広場・水路は「宅地」に該当しません。
なお、将来道路などになる予定がある土地については、計画段階であっても、その時点では「宅地」に該当します。
宅建業法における「建物」とは
「建物」については、宅建業法で特に定義されているわけではありません。
住宅や事務所・店舗・工場・倉庫など、柱・壁・屋根のある建築物が該当します。また、マンションの1室についても1つの建物として扱われます。
宅建業法における「取引」とは
宅地建物取引業における「取引」とは、以下のような行為を指します。
自らの宅地または建物の売買・交換 | 自ら当事者となり自己所有の宅地または建物を販売・交換する行為 ※他人の代理・媒介によって自己所有の宅地または建物を売買・交換した場合も含む ※ただし、自ら当事者となる貸借(転貸を含む)については取引にあたらず、宅建士の免許は不要 |
宅地または建物の売買・交換・貸借の代理 | 依頼者の代理人として売買・交換・貸借の契約を締結する代理行為 |
宅地または建物の売買・交換・貸借の媒介 | 宅地または建物の売買・交換・貸借の当事者同士を引き合わせる媒介(仲介)行為 |
宅建業法における「業」とは
宅地建物取引業の「業」とは、
①不特定多数の者に対して、
②反復継続して取引を行うことを言います。
この条件に当てはまらない場合は、宅地または建物の取引を行う際に宅建士の免許を受けている必要はありません。
①「不特定多数の者」とは
例えば、企業が社員に限定して不動産を売却する場合には、特定の者とみなされるため、宅建業法の適用は受けません。しかし、多数の友人や知人を相手に反復継続して取引を行う場合には、不特定多数とみなされます。
②「反復継続」とは
不動産の分譲は反復継続的な取引とみなされます。一方、不動産を一括して売却する場合は、反復継続とはみなされず、宅建業ではないとされます。
「宅地建物取引業」の定義
前項までの内容を総合すると、宅地建物取引業とは、以下のように定義できます。
宅地建物取引業とは宅地(建物の敷地に供される土地・用途地域内の土地)や建物の取引(売買・交換、または売買・交換・貸借の代理・媒介)を、不特定多数に対して反復継続して行うこと |
上記の「宅地または建物」「取引」「業」の条件がそろって初めて宅地建物取引業とみなされ、行う際に免許が必要となります。
宅建業と不動産業の違い
宅建業は不動産を取扱う仕事であるために、不動産業と混同されやすい用語です。しかし、このふたつは異なります。
宅建業は、前項の通り「不動産取引を事業として行うこと」で、取引専門の業種を指します。
一方、不動産業は、不動産取引(宅建業)だけでなく、賃貸物件や取扱い不動産の管理、入居者対応などを総合的に行う業種であることを意味します。
まとめ
本ページでは、宅建業とはなにかというテーマで紹介しました。
はじめて宅建業を営む予定の方は、ぜひ宅建業という定義を理解したうえで、宅建業免許の申請を行いましょう!
申請にあたり用意する書類や要件の確認に手間を要し時間がかかってしまうことが多いので、手続きに不安があり代行してほしい方は、行政書士など専門家への相談をおすすめします。適切なサポートを受けられ、よりスムーズに手続きを進められるでしょう。